教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

2014年01月

日本語の宿命~なぜ日本人は社会科学を理解できないのか(光文社新書)



 タイトルを読むと,何だか「日本人の宿命」にも思えてくる気がします。

 いっそのこと,こういう学問を研究する場合は,「日本語禁止」にした方がいいかもしれませんね。

 ただ,英語の授業で「日本語禁止」にするのは,大反対です。

 能力が非常に高い教師なら,難しい英語表現も簡易なものに即興でかえてくれたり,

 身振りで意味を伝えてくれると思いますが,そういうコミュニケーション能力のない先生はたくさんいますから,

 子どもが英語を理解する力は今より下がるのは目に見えています。

 そもそも,英語では言い表せない日本独特の表現がたくさんあり,そういう教養を抜きにして

 英語を学んでも,昔でいう「英語が少し話せる愚民」が増えるだけでしょう。

 韓国の歴史教科書を読むと,日本の植民地政策のうち,日本語教育のようなものを,「愚民化政策」の一つと考えていることがわかります。その主張は,なるほどと納得させられます。

 話が完全にそれてしまいました。

 日本は,公務員の割合が高い国だと思いますか?

 本を読んで知ったことは,私の予想と少し異なっていました。

 こういうことは,日本語表現でわかったように思っているヨーロッパ発のものが,

 日本語では少し別物になっているために起こっている・・・・

 たとえば「デモクラシー」を日本語では「民主主義」と訳している。

 ただ,「~主義」は「~イズム」を訳すときに使っている言葉である。

 では,「デモクラシー」をなぜ「~主義」と訳すのか・・・。

 こんな調子の話がたくさん載っていて,「言葉」に対する無警戒心に警戒音が鳴らされる,

 そんな本です。

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親と子の自分革命(白揚社)


 カウンセリングの研修を教師は何度も経験します。

 その都度,違和感を覚えて終わることになる。

 カウンセリングの手法は理解できるのですが,カウンセラーの仕事と,教師の仕事は別だということも思い知らされるから。

 優秀なカウンセラーでも,それは「訓練」によって培われた「技術」としての力が全身を覆っているようにみえる。

 学習指導を単なる「技術」としてとらえ,機械のようにただしゃべっている教師よりはましのような気がしますが,それは「本心」ではなく「演技」だろうということが,ひしひしと伝わってきてしまう。

 「演技」に徹するところが「プロ」としてのカウンセラーだと思いますが,

 私が理想とする教師はそういう「プロ」感覚をもった「プロ」ではなく,

 ありのままの人間でありたい。

 カウンセラーは,けっして自分の本音は伝えません。

 しかし,少なくとも教師は,本音が伝えられる人間でありたい。
 
 紹介したような本を読むと,そういう思いにかられます。

>Bくんはいま,うまい具合に架け橋をかけて,あっちに行ったりこっちにきたりと美味しいとこ取りをして,なんとかその場をつくろっていますが,しょせん「二つ心」は二つであって,けっして一つではないということです。コマでも,二つ中心があると回らないのと同じ道理です。

 今,受験を目前にしている,あるいは受験に突入した子どもは,「二つ心」を駆使してがんばってくれているのかもしれません。

 それを一つにしてあげることを実現している塾や保護者はすばらしいです。

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みんなのつぶやき 万能川柳 (毎日新聞社)

万能川柳20周年記念ベスト版
仲畑 貴志
毎日新聞社
2013-08-05


 私が読んだのは情報センター出版局から出されている「4本目」です。

 「過去からの手紙」として,当時を振り返ることができるように書かれているとのことでしたので,ときどき「今」をたしかめるために,川柳をながめています。

 教育ネタとしては,

>通知表みて目をつぶるうちの父

 ・・・そのあと,どうなったか? 母親なら,どういう反応をするのか?

>指導よりしつけに追われている教師
 
 「教師のためのしつけ講座」みたいな本が今は売れていますね。

>ファミコンの時だけ正座する子供
 
 「しつけ講座」の切り札だったりすると残念。


 川柳は,想像をかきたててくれるとともに,いつまでも変わらない何かに安心感を求めることもできます。

>朝ドラが変わり鼻唄変わる母

 私の読んでいる「4本目」には,1993年11月から翌年4月までのものが掲載されていますが,

>じいちゃんが独りファミリーレストラン

 なんて句を読むと,当時はまだ「おひとり様用ファミレス」はなかったなあと思ったりも。

 人間関係を考えさせてくれる秀逸な川柳としては,

>同じ意見持ちそうな人に相談し

 それじゃ,何の進歩もないかもしれない。

 哀しい親のネタとしては,

>育児書を読みすぎてなるノイローゼ

 同じように,教育書ばかり読んでいて,子どもにまともに向き合おうとしない教師が多いかもしれません。

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生活の貧しさと心の貧しさ(みすず書房)

生活の貧しさと心の貧しさ
大塚 久雄
みすず書房
1978-01


 今は古本でいくらでも手に入るようですが,それが尽きた時には改めて刊行する価値のある本だと思います。

 『力と権威』については,歴史の授業を組み立てる上で新規採用の教員のころからたいへん参考にしていました。もう少し大学の成績がよければ社会科学の方に進めていたかもしれませんが,こういう本を読みながら歴史の捉え方を考えると,教え方に関するアイデアがたくさん浮かびます。

 『創造の過程と成果』には,あらゆるところで語られているのと全く同じこと・・・

>なにも勉強せず知りもしないで,毎日タバコを吸っていたり,散歩してみても,新しい着想など決して出てくるものではありません。さまざまな,しっかりとした準備がいる。そのなかで何らかの問題をもつようになる。なんとかしてその問題を解かねばならぬとたえず真剣に考えつづける。そういう前提条件がある時に思いがけず着想がやってくるのです。もちろん来ないかもしれない。

 この先も,ずーっと引用し続けたい文章が続くのですが,要は,「考えつづけること」の意義の大きさを忘れてはならない,ということ。どんな種類の困難が立ちふさがっても,あきらめないこと。

 教師の多くは,『道徳』そのものを教えようとする授業そのものに何らかの違和感というか嫌悪感をもっています。

 直接的なアプローチではなく,間接的なアプローチをとった方が,より本質にたどりつきやすい・・・そんな経験を多くの方がされているからでしょう。

 ただ,教えるというより,知っておいてほしいことが,子どもに伝えられていない現状がある以上は,『道徳』の授業にもそれなりの価値は認められるでしょう。

 自分の生活の貧しさを嘆く人は多いけれど,自分の心の貧しさを嘆く人は少ない。

 受験勉強をしていたり,教えていたりする人にとって,最も失ってはならないものの実例が,いくつも紹介されています。

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絵と言葉の一研究(美術出版社)



 何とも不思議な本ですが,はまります。

 直接赤鉛筆で書かれたような「絵」がたくさんちりばめられていますが,この本の独創性のあるアイデア・スケッチに惹かれるというよりも,著者の「迷い」にこちら側の心を休めてもらっているような錯覚を感じます。

 帯から「正直,わからなくなってきました」とくる。

 「はじめに」は,「もともとは,デザイナーをやめようかと考えて,この本を作りはじめた」とくる。

 「無駄なこと(この本づくり)が,かえってよかった」とくる。

 キーワードは,「自分チャンネルの遊び」。

 私自身,中学受験をしたときに使っていた「ワザ」に近い感覚でした。

 自分を客観視する自分をつくり,さらにそれを客観視する自分を・・・・という,慣れないと「酔ってしまう」自分への見方。

 これは,教師になってからも,親になってからも使える「ワザ」でした。

 デザインに興味がある方は,第4章だけでも,読む価値あり。


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