教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

2014年06月

まともな「受験」を経験したことがない方へ~やりなおし高校世界史(ちくま新書)



 受験のための塾やそこの講師の話がちょくちょく登場するものの,

 そんな「勉強」をさせていては,すぐにつぶれるだろうと思われるような話ばかりしている人がいる。

 もう少し質の高い「勉強」をしている受験生たちにも目を向けてほしい。

 時間さえかければできるようなレベルのことを,わざわざお金を払って教わる必要はない。

 東大入試問題などを題材に,1冊の本にしあげられているものがいくつかあり,それなりに人気があるようだ。

 一般書として売られているということは,受験生が対象ではない。

 しかし,受験生が読んでもためになることは言うまでもない。

 ここで紹介した本には,新書には珍しく,図版がたくさん掲載されている。

 そのうち大学入試でも「図解で説明しなさい」などという問題が出される時代が来るだろうが,

 こういう本を読んでおけば,そもそも「いい先生の授業とはこういうものなのだな」というイメージができるはずである。

 「いい問題」とは,相当に知識が多く理解が深い人でないと採点ができないような問題である,

 という言葉の意味はおわかりいただけるだろうか。

 単なる「正解」はない。様々な「いい答え」があるような問題は入試に向かないかもしれないが,

 それでも受験生の本当の力をはかろうという意欲の高い大学はやっている。

 「受験」の話をするときは,そういうレベルのことも語ってほしい。
 
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学歴コンプレックスの親をもつ子の悲劇~子どもの教養の育て方(東洋経済新報社)

子どもの教養の育て方
佐藤 優
東洋経済新報社
2013-06-14


 佐藤優はサービス精神に富んだ人だということがよくわかります。

 ありとあらゆる質問に丁寧に答えている。

 情報ソースがやや怪しいところもなくはないが,誠意が伝わってきます。

 子どもの受験を考えている方にぜひ読み飛ばしてほしくない箇所があるのでご紹介します。

 井戸まさえの実感のこもった言葉です。

> いずれにせよ,子どもの能力も鑑みつつ,何を選択するのがその子にとっていちばん幸せなのか,親はそれを考えないといけないですね。

 友達にも超難関中高一貫校を出た人がいますが,幸せそうかといえば,むしろ挫折感をもっているようにも見える。私たちから見たらうらやましい限りなのに。子どもの能力を無視して,むやみやたらと努力や競争をさせるのはダメですね。


 佐藤優は,「生きていくのに重要な知恵が抜け落ちた人間」を紹介してくれていますが,

 どんなにいい学校でも,試験をしたら,1番がいて,ビリがいる。

 上位2割がいて,ビリの方から2割に入っている人間がいる。

 そういう部分が見えないで,良い先生がいる,良い学校に進学させたというだけで安心してしまう親がいます。

 なぜ,この本のタイトルが,

 「学力のつけ方」ではなく,「教養の育て方」なのか。

 子どもだけ教養があって,親に教養がない,という家庭もあるかもしれませんが・・・。

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新しい入試への対策~世界でたった一つのマイ名言(遊タイム出版)



 人間関係が変わるマイ名言・・・・

>人を判断するときは,

 その人が(  ア  )ではなく

 (  イ  )で判断せよ。


 ヴォルテールの言葉はしばらくふせておき,

  アとイの組み合わせとして考えられる言葉を挙げてみましょう。

ア 調子いいとき   イ 困っているとき

ア  機嫌いいとき   イ 機嫌悪いとき

ア 仕事をしているとき  イ 趣味に没頭している姿

ア 一人でいるとき   イ チームの中にいる姿

ア 話しかけてくるとき  イ 話しかけたときの姿

ア どんなことを言っているか   イ どんなことをしているか

ア 書いたこと  イ 行っていること

 などなど。

 いろいろ挙げられますね。

 中学入試でも,イのような状況を合否判定の材料にしたいものです。

 ヴォルテールの言葉は,

 何を答えたかではなく,何を問うかで判断しろ,というものでした。

 ある絵(や文章)を受験生に見せて,

 この絵(や文章)の一部を解釈させる問いを出して下さい,なんて聞いてみたいものです。

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最も大きくズレているのに「ズレ感」が全くない受験という世界~だから日本はズレている(新潮新書)



 メチャクチャな詰め込み教育は,今や中学受験の世界がその典型です。

 教育の世界の一般常識からすれば,ズレすぎていて,もはや受験を経験する小学生には学校のお勉強など「当たり前のこと」すぎて何の知的好奇心ももてないのではないかと想像してしまいます(ある程度,自分にはこれが当てはまっていました)。

 中学受験に子どもを向かわせる大人たちは,健全な心身の発達などは全く考えずに,

 「志望校合格」に向けて照準を合わせた言動に走ります。

 その大人たちの心を奪うような教育産業の広告も,かなり洗練されてきています。

 だから,完全なる「ズレ」を完全に認識できないまま,「その日」を迎えることになるのです。
 
 このままでは,自分の子どもは将来,~になってしまう・・・・。

 そういう不安を「ズレ」感覚のない大人は,

 志望校合格後の子どもではなく,

 塾に行きたがらない子どもを目前にして抱くのです。

>多くの宗教がそうであるように,信者に何を言っても無駄である。

>失敗例を無視して,成功例ばかりが注目されてしまうことを「生存バイアス」という。


 「生存バイアス」で彩られた雑誌がたくさんあります。

 人間として,大きくズレないためには,それなりの座標軸が必要です。

 そのためには,「失敗例」に関する大量の知識が必要なのです。 

 しかし,それは最も手に入りにくい情報かもしれません。

 多くの「失敗例」たちが,世の中にはたくさん埋もれています。

 それを発信できるのは,学校だけなのかもしれません。

 小学校の成績がよくない子どもを入試得点が高いからといって合格させるような学校に通わせれば,全く同じサイクルが永遠と続くことになることを知っておいて下さい。

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失敗にめげている子どものために~奇跡のリンゴ(東宝)

奇跡のリンゴ DVD(2枚組)
阿部サダヲ
東宝
2013-12-20


 以前に木村秋則さんの「リンゴが教えてくれたこと」(日経プレミアシリーズ)をご紹介しましたが,

 映画化された作品を視聴しました。

 とてもすばらしい映画です。

 リンゴづくりにかける木村さんの情熱だけではありません。

 木村さんの挑戦を応援する人,見放す人,見捨てない人,

 家族の苦しみと喜び,親子の愛情,

 様々なものが詰まった映像作品になっています。

 木村さんの自然観や人間観に刺激を受ける子どもたちが一人でも増えるように,

 親御さんたちにはぜひどこかでこの映像作品に触れさせてあげてほしいと思います。

 特に,何かの失敗でうちひしがれている子どもがいましたら,ぜひ

 この作品を親子でご一緒に鑑賞してください。

 次の一歩に進むためのエネルギーを与えてくれるものと信じています。

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