教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

2015年01月

大切な考え方を教えてくれる~世界史の極意(NHK出版新書)



 出版のペースが半端でない佐藤優の本で,読み手にとって参考になることは,世の中の見方・考え方を教えてくれる内容が多いことです。

 歴史の見方・考え方の基本は,冒頭でも語られていますが,最もよくまとまっているのは巻末の3段落です。

>立場や見方が異なれば,歴史=物語は異なる。世界には複数の歴史がある。そのことを自覚したうえで,よき物語を紡いで,伝えること。

 そして,歴史が複数あることを知るためには,アナロジーの力を使わなければいけない。「見えない世界」へのセンスを磨くためには,アナロジカルに考えないといけない。

 近代の宗教である資本主義やナショナリズムに殺されないために,私たちはアナロジーを熟知して,歴史を物語る理性を鍛えあげていかなければならないのです。


  序章では,なぜアナロジーが重要なのかを詳しく解説してくれていますが,当たり前のことをわざわざ説明してくれる「やさしさ」があるのが佐藤優の特徴でもあります。

 昔の「知識人」には,そういう「やさしさ」はありませんでした。

 たとえば,「アナロジーとメタファーの違い」なども,わかりやすく説明してくれます。

 教育ブログを読んでいると,この2つの違いがよく理解できていない人がいることがわかります。

 類似性と差異性の距離感がつかめない人は,人間社会のなかでもうまくやっていけずに,他人の悪口しか言えなくなっていくことがよくわかるのです。

 ですからアナロジー思考は生きる上でも大切な武器になり,これを歴史観にまで応用できるようになることは,中学生にでも教えたいことです。

 もう一か所だけ,ぜひとも引用しておきたい部分があります。

 佐藤優が20歳のときに,大学の講義で胸にとめた,藤代泰三という先生の言葉です。

>ヘーゲルが言うように絶対精神が,弁証法的に発展していくというような単純な流れを歴史は取らない。もっと複雑な現象です。他人の気持ちになって考えること,他人の体験を追体験することを,どれだけ繰り返すかで,歴史理解の深さが変わってきます。そして,歴史を類比として理解するのです。

 佐藤優のように,授業での先生の言葉を忘れず,「他人の体験を追体験することを重視」し続けられる人はどれだけいるでしょうか。


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反対側のおもりになる~人を「その気」にさせる技術(角川書店)

人を「その気」にさせる技術 (角川oneテーマ21)
安河内 哲也
角川書店(角川グループパブリッシング)
2010-03-10


 私がこのような本を読むとき,まずは「図版」だけに目を通しています。
 
 最初に目にとまったのが,

 「逆のことを言うのも大切」というタイトルの図で,

 天秤ばかりの上に,

 「英語は論理力だ」←→「英語は記憶力だ」

 「英語は読み書きだ」←→「英語は音読だ」

 「もっと考えろ」←→「考えるな

 というフレーズが示されています。

 ある人の弱点をいい方向に変える方法として,極端なくらい逆のことを言って軌道修正させる,という「技術」として紹介されています。

 私が野球の指導をするとき,傍目から見ると首尾一貫していないのでいかがなものかと思われたかもしれませんが,

 「よく考えてプレーしろ」とアドバイスする生徒と,

 「何も考えずにやれ」と声をかける生徒がいました。

 当然,まわりを見ずにあわててプレーする生徒が前者,

 考えすぎて行動が鈍くなる生徒が後者です。

 ただ,こんな声かけでプレーががらっと変わることはありません。

 いろんな方向に行ったり来たりしながら,上手くなったり,まったく上達しなくなったりを繰り返して,最後には立派に育っていく子どもたちを見てきました。

 受験前の子どもを励ます方法もさまざまにあるでしょうが,

 正解は「AかBか」ではなくて,

 「AによりすぎていたらBに近づけるように」

 「Bに傾きすぎていたらAに寄せるように」

 バランスをとるような声かけができる余裕がほしいものです。

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センター試験世界史Bの問題ミス~正解が2つある理由



 出題ミスは,このような本の形で永遠に残ってしまうので,作題側は細心の注意を払ってつくっているのですが,今年の入試では「やってしまいました」。

 映画『天地明察』が出題のテーマのきっかけだったのでしょうか。

 問いたい知識は,「の時代に郭守敬が」授時暦を作った,ということだけでした。

 正解が2つある,という問題になってしまった原因は,作題者が世界史の知識を十分に持っていなかったからではなく,出題のときに十分に気をつけなければならない「日本語の使い方の誤り」を犯してしまったことにあります。

 世界史Bの第4問の問8です。

 貞享暦は,中国の( ア )の時代に,( イ )によって作られた授時暦を改訂して,日本の実情に合うようにしたものである。

 ここでは選択肢は載せません。選択肢を載せなくても,解答が2つ考えられることが,文章だけからわかるからです。

 冒頭で述べたように,授時暦をつくったのは,郭守敬という人です。世界史用語集(山川出版社)では,元代の科学者・官僚で,1280年に授時暦を作成したと紹介されています。

 ( イ )には郭守敬しかあてはまりませんが,( ア )にあてはまるのは,「元」とは限りません。

 なぜなら,貞享暦がつくられたのは,中国でいえば清の時代だからです。

 中国の( ア )の時代に・・が,授時暦を改訂して,日本の実情に合うようにした

 と解釈してしまうと,( ア )にあてはまるのは「清」になってしまうのです。

 ですから,問題文としては,

 中国の( ア )の時代に( イ )によってつくられた授時暦を改訂して,日本の実情に合うようにしたものが貞享暦である。

 などとするべきでした。

 このようなミスはどのようにすれば避けられるのでしょうか。

 一番よいのは,世界史をあまり知らない,国語の問題の作題者に解いてもらうことです。

 国語的におかしい(どちらにも読み取れる)ものが,見つかるはずです。

 世界史の作題者は,「元の時代に郭守敬が授時暦をつくった」という知識を問おうとしただけでした。

 しかし,それだけだと問題としてあまりにもつまらないために,「貞享暦は江戸時代に授時暦をもとにつくられた」ことをわざわざ挿入してしまいました。

 単なる知識を問うているセンター試験は廃止が決まっていますが,出題者の力量が相当に落ちてきていることが,廃止の真の原因かもしれません。

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言いたいことが隠れない文章表現~280点だった私が半年で800点(幻冬舎)



 重要なことは冒頭に書かれていたり,表現を変えながら繰り返し登場してきたり,結論を言うときは必ず次のような単語が出てきたり・・・というのは英語の長文を読むときに知っておくべきことでしょう。

 In  conclusion

  After  all

  What  I  want  to  say  is ~

 In  summary

 エッセイ・ライティングの訓練は,日本語でやってみるのもよいでしょうね。

 最初に結論を書く

 次に理由を述べる

 具体例を3つ挙げる

 最後にまた結論に導いていく

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小学生には英語で手帳をつけさせよう!~英語で手帳をつけてみる(ベレ出版)



 英語は,積み重ねが大事です。

 小学校での英語学習が始まったら,家での復習は必須になると思われます。

 でも,なかなか「小さな努力の地道な積み重ね」は大人でも実現しにくいこと。

 この問題を解決する方法の一つが「英語手帳」です。

 小学校高学年になると,自分だけの「手帳」をもつことに喜びを感じる時期になります。

 そこに英語でのメモなり書き込みなりがあったら,より「スマート」な印象になる。

 とにかく英語は「慣れ」ですから,1か月,2か月と進んでいくと,

 英語そのもの,アルファベットの連なりへの抵抗感が薄れていきます。

 「抵抗感」こそが初期のつまずきの最大の要因ですから,それを取り除くメリットは大きいでしょう。

 Bon  Festival (お盆) なんて最初は違和感ありすぎですが,時間が経てば・・。

 Star Festival (七夕) のように,最初からしっくりくるものもたくさんあります。

 大切なことは,「日本語訳」は書かない。

 これ,大原則だと思います。英語だけにする。

 私は6年生のときにタイプライターを買ってもらって,「英語の名言」か何かを自分で打ったものを本の栞にしたり,その栞を友達にプレゼントしたりしていました。

 There's  no  royal  road  to  learning. です。

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