教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

2015年03月

中学校教師として自然に育まれるもの~アドラー心理学を深く知る29のキーワード(祥伝社新書)



 自己肯定感,相互の信頼感,所属意識を育てることを重視している教育現場では,アドラー心理学で重んじられていることを自然に実践してきていることがよくわかりました。

 一体感がある集団,他者への共感の場面が多い集団に育てることは,特に中学校教育で重視されています。

 評価の場面で,

>行動こそが,その人の本質や意図を正確にあらわす

 という原則に従って,何かができないことの言い訳を封じている点も同様です。

 実践を重んじるアドラー心理学の中核的なキーワードは「勇気づけ」だそうです。

 ある母親と著者による次のような会話が紹介されています。

>「いつも怒ってばかりで・・・。もっと娘をホメたほうがいいのでしょうか」

>「もちろんです。でも,ただホメるだけでは不十分です。勇気づけが必要です」

>「まず,お子さんの存在じたいを認めることが大切です。それから,お子さんの強みや長所に注目して,ありがとう,うれしいと心からいえる点を探し,その感謝や喜びの気持ちをお子さんに伝えてください。これが勇気づけです」


 いわゆる「叱咤激励」とは少し異なる「勇気づける方法」の具体例もいくつか紹介されていますが,このような言葉かけや姿勢は,日本の教師なら自然に行っていることが多いでしょう。

その人の価値を認めること。「あなたの価値は,何をしたのかではなく,あなたが存在していることです」と伝える。

>その人の強みや長所に目を向けること。

>その人の行動の過程や方法に注目すること。「あなたのそのやり方はよいと思います。とても自信になったことでしょう」と伝える。

  勇気づけは,ただ褒めることとは違い,やりすぎてダメだということがないこと。

 教師が中学生の言葉に何かコメントを入れるとき,心がけておきたいことを再確認することができます。

 さらに,「不完全であることの勇気」などは,教師自身にとっても必要なことです。

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宝塚歌劇団の『ブス25箇条』から学ぶこと~最強の日本人のつくり方(ブックビヨンド)

最強の日本人のつくり方
瀬戸口仁
ブックビヨンド
2014-05-21


 この本の中で,宝塚歌劇団の舞台裏に貼られている紙の内容が紹介されています。

 その名も『ブス25箇条』。

 これにあてはまる人が多いからこそ,「戒め」とされている内容なのでしょうね。

 「ブスにならないための努力」があるからこそ,宝塚を退団した後も,芸能界で活躍できる人が多いのかもしれません。

 1 (  )がない

 2 (  )を言わない

 3 (  )と言わない

 4 (  )が輝いていない

 5 (  )がない

 7 (  )がない

 8 (  )や(  )がない

 9 自分が(  )であることを知らない

 12 (  )をこぼす 

 13 (  )をうらむ

 14 (  )がうまい

 18 (  )を信じない

 22 (  )に物事を考える

 23 (  )を持っていない


 (  )に入る言葉は何でしょう。4,12,13あたりはわかりやすそうですね。

 (  )がないというパターンがいくつかありますが,1番目に登場するのは「笑顔」です。

 これを『美人25箇条』にするためのキーワードは,

 謙虚,奉仕,精気,自信,希望,信念,信頼,意欲などです。

 外国人のもつ「良さ」から,日本人が学ぶべきことを示してくれるだけでなく,日本人の「良さ」にもふれています。

 グローバル人材に必須の「美しい人」の条件を教育の世界でも語っていきたいものです。


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3~5秒ルールで学力向上~インクルーシブ教育をすすめる教師のために(アドバンテージサーバー)



 SW-PBS

 SST

 CSI

 SRL

 CBT

 FBA
 
 DI

 AT

 AAC

 OTL

 これらが何の略語であるか,特別支援学校の先生方ならご存じなのでしょう。

 ATはアシスタント・ティーチャーのことと思いきや,支援技術のことでした。

 この中で私が注目したのは,最後のOLT・・・学びの機会について。

 「十分に活発な学習時間を学習者に提供する」ことの大切は,教師や親はよくわかっているようなつもりでいて,なかなか「時間を大切にする」ことができないでいます。

 アメリカの状況も,以下のようなものだそうですが,日本でも同じことが言えそうです。

>授業中は,質問や説明に対する反応のための十分な時間を学習者に保障すること。研究から,教育者が学習者に質問する時,反応に対し大体1秒も待たないことが見出された。さらに,学習者が話し終わって,教育者は1秒もかからないうちに,別の質問を出すか応答することも見出された。これらの沈黙の時間(「待ち時間」あるいは「思考時間」と呼ばれている)が3秒から5秒続く時,多くの成果が生じるように思われる。

 日本では,こういう時間を「間」と言います。

  優れた教師や親は,「間」がとれるのですね。

 実際,5秒という長さは,それほど長いように思われないかもしれませんが,テレビ放送での5秒の沈黙は,「事故扱い」されかねない長さかもしれません。

 イギリスでは待ち時間の考えが,最重要国家法略に導入されたといいますが,どんな意味でしょうか。

 単なる翻訳だけでなく,少し日本の状況との関連や,丁寧な日本語の註があれば,もっとよい本と呼べるのですが・・・。

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