教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

2015年10月

0時限体育または1時限目体育の流行が来るか~脳を鍛えるには運動しかない



 データが証明してくれていることを,自分たちの教育にも取り入れようとする教師がいるのは当然である。

 音楽を聴いてリラックスするよりも,運動をして脳の状態を整えた方が,

 学力が上がる・・・・実証的なデータがもし日本でもそろうようになったら・・・・

> 近年の研究によって,運動が生物学的変化を引き起こし,脳のニューロンを結びつけることがわかったからだ。脳が学習するには,そうした結びつきが作られなければならない。逆に言えば,脳はそのように新しい結びつきを作れるからこそ,変化に対応できるのだ。神経科学者がこのプロセスについて探究するうちに,運動がなによりの刺激となって,脳は学習の準備をし,意欲をもち,その能力を高めることがわかってきた。とくに有酸素運動は「適応」に劇的な効果を及ぼす。「適応」とは,心身のシステムのバランスを整え,その能力を最大限にしようとする機能であり,自分の可能性を切り開いて・・・・・

 私事で恐縮だが,母校の小学校では,東武伊勢崎線沿線だったためか,朝の始業前の時間は「マラソン」に全児童で取り組んでいた。校庭を1週すると,1目盛りずつ,東武日光駅に近づいていくという仕組みである。

 早く日光にたどりつきたい上級生は,かなりのスピードで校庭を走っていた。私もトップ集団ではなかったが,日光到着を目指して頑張っていた。

 この小学校は昔から地域の中でも学力が高いことが知られており,今でも多くの児童が中学受験で進学先を決めている。

 私が最初に勤務した中学校では,朝練がさかんだった。

 7時から1時間くらい,みっちりと・・・体育の授業より激しい練習を毎日やっていた。

 部活動が強いのはもちろんだが,学力も高かった。

 業者テストがあった当時の学年の平均偏差値は60近かったように記憶している。



  さて,運動が脳を鍛えてくれるということだが,読書と違って運動の場合,だれもが実践できるかといえば,それはハテナだろう。

 そもそも,朝早めに起きて,朝ご飯をしっかり食べて,朝に運動する時間がつくれる,

 それだけ規則正しい生活が送れる人なら,成績がよくなって当たり前のような気がする。

 学校はもちろん,企業に出ても,体が丈夫であることが一番である。
 
 体力があると評価されるには,継続的な負荷に耐えられる「精神力」も兼ね揃えていることが重要であるようにも思う。

 だから,自分の意思でしっかりとした運動ができる人は,それなりに学力も高いはずだ・・・・などと勘ぐってしまう。

 もし「頭で納得した上で,運動をし,脳を鍛えたい」人は,本書を一読すべきだろう。

 この本がしっかり読めるというだけで,それなりの脳力は備わっているとも言えるのだろうが・・・。

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GDP900兆円の日本~救国のレジリエンス



 「災難飢餓期間」を過ぎ,東日本大震災を皮切りにした「災難期間」が到来したという。

 東日本での大震災と,西日本での大震災,関東での大震災は,これまで高い確率で連動して起きてきた。

 警戒すべき大震災が何かは,言うまでもない。

 「日本壊滅」を本当に心配し,その対策に乗り出そうとする人がどれだけいるだろうか。

 著者が求めている8つの対策とは,

1 「防災・減災」のためのインフラ対策

2 「リスク・コミュニケーション」の推進

3 「地域コミュニティ」の維持と活性化

4 有事を用意した「強靱なエネルギー・システム」の構築

5 企業・工場の「BCP」の策定の義務化

6 有事の際の「救援・復旧対策」の事前想定

7 日本全体の「経済力」の維持・拡大

8 「強靱な国土構造」の実現

 10年以内に高い確率で起こってしまう大地震によって,数十兆円の被害がでてしまうことを,

 10兆円程度の投資で防ぐことができたなら・・・・。

 このようなスケールの大きな「保険」の必要感を全国民で共有するのは困難でしょうか・・・。

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常に中途半端で「改革」にならない日本の「教育改革」~大前研一ビジネスジャーナル№6



 韓国が小学校3年生から英語の授業を導入し,高学年には週3回学習させることで,英語力を向上させている。

 こんな話を聞くと,あわてて「日本でも小学校から英語を!」と叫ぶ人が出てくる。

 一方で,「本当の日本語活用能力を育成するべきだ」という主張も出てくる。

 「世界史が大事」という声が高まって,世界史必修になっても,

 ごまかし未履修が当たり前になると,「日本史が大事」の声におされ初めて,

 最後には「日本史と世界史を一緒にしてしまおう」という話になる。

 「世界史」がただの「ヨーロッパ中心の各国史の足し算」に過ぎないため,

 ここに日本史を加えても,2冊の教科書の本文が継ぎ接ぎされるだけになるだろう。

 さまざまな主張が「足し算」されることによって,「どうでもいい改革案」になっていく。

 これからの日本の教育改革は,「一律」からどう脱却するかにかかっているように思う。

 一時期人気を集めたスウェーデンの教育改革が失敗しているという話を上記の本で知ることができた。

  世界の教育トレンドは,「詰め込み型」と「考える型」に二分化されているようだが,

 「詰め込み型」の韓国では大学を卒業しても就職できず,

 「考える型」のアメリカでは大学の中退率が高くなっている。

 明らかな「失敗」のかたちを避けるために,おそらくこれからも日本の教育改革は

 「大失敗」と言われないための道を歩み続けるだろう。

 もし日本国内で2つの型を実験的に並立させたら,

 「詰め込み型」の大勝利に終わってしまいそうだ。

 「考える型」でドロップアウトすることの悲惨さを避けようとするため,

 学校が中途半端な「詰め込み型」に終始していることで,

 「詰め込み型」を基本とする教育産業の存在感ばかりが目立っている。

 ある教育産業では「考える型」にシフトするチャレンジを行っているが,

 私の目で見る限り,まだ「中途半端な詰め込み型」の域を出ていない。

 試行錯誤の上に,新たな「型」を出現させることはできるだろうか。

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欧米の遅れた学習環境からのメッセージ~Making Thinking Visible



 付録のDVDを視聴した。保育園児のような子どもから高校生まで,子どもはバラエティに富んでいた。

 しかし,せいぜい十数人規模の学習環境で,欧米でも伝統的には「教え込み」をしていたのだろうか。

 だとしたら,少人数にしたからといって教育効果が高まることはないということの説明がつく。

 要は教師の教え方,学び方,何をめざして授業をするかにかかっているということである。

 教室に生徒が2人しかいない日本の島の学校でも,標準的な広さの教室に机を2つおき,教師は大きな黒板で授業をしていた。こういう授業が「当たり前」だったのは,日本だけではないようだ。

 それは以下の文章からもわかる。別に,日本の教師への批判ではない。

>In most school settings, educators have focused more on the completion of work (仕事の達成,完成) and assignments than on a true development of understanding. Although this work can, if designed well, help to foster understanding (理解を深める), more often than not its focus is on the replication (反復) of skills and knowledge, some new and some old. Classrooms are too often places of "tell and practice". The teacher tells the students what is important to know or do and then has them practice that skill or knowledge. In such classrooms, little thinking is happening.  

 さて,この主張は,果たして日本でも通用するだろうか。

 知識や技能を習得するのに思考が抜きになっているという学習はあるのだろうか。

 そんなことはない。

 教師は決して大げさではない「思考」がその都度はたらくように,会話や発問の中にしくんでいる。

 疑問に思わせたり,一部分にだけ注目させたり,視野を広げさせたり,要点をつかませたり・・・・

 「思考ルーチン」が巧妙に仕組まれた話し方をそれなりに力のある教師たちはしているのであり,

  それができないのは欧米の教育論をそのまま翻訳して日本にもってきたり,

 そもそも子どもたちとコミュニケーションができない人たちなのである。

 こういう教師に限って,「どんな子どもでも見捨てたくない」というわざとらしいことを言ったり書いたりするから,

 「当たり前のことを口にすることはみっともない」という感性と文化をもつ日本の教師からは信用されないのだ。

 40人の子どもを相手にする日本の教師には,当たり前すぎることを口にしている暇などない。


 思考パターンは大事だが,それ自体をマスターすることが目標になってしまうような授業は,

 手段と目的を完全にはき違える典型的な失敗事例である。

 もちろん,そういう思考パターンを身につけさせることだけが教育の目標なら,それでかまわないのだが,教養を身につけ,実践的な能力を磨くためには,思考パターンだけではだめである。

 具体的な教材を通して,学習内容を通して,子どもは学ぶのである。

 そこにあると役立つのが思考パターンなのであって,教育実習生の授業などでよくあるのは,

 「そこは子どもが考える場面なのに,自分で質問して自分で答えを言ってしまった」・・・・

 思考パターンを子どもに使わせないなどという失敗があるのは,

 学習の主体がだれなのかを認識していないために起こる問題である。

 教育実習生は,自分が学習の主体という意識が半分以上あるから,気の毒な存在ではあるが。
 
 まだ技術も半端な医師の卵に心臓移植手術をさせるようなもので,教師も気が気でない。


 アクティブ・ラーニングの研究授業で気をつけたいのは,

 大切な内容をスルーしない,ということである。

 効率を重視すると,絶対に見落とせない問題を,教師も子どもも平気でスルーする。

 研究協議でその点を指摘した先生は,その後,何かをつかんでくれただろうか。


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子どもをつぶさないために~嫉妬心に気づこう~島国日本の脳をきたえる

島国日本の脳をきたえる
茂木健一郎
東京書籍
2014-03-28


 子どもへの強い「当たり」がやまない母親をもつと,子どもは苦労します。

 話もできない相手に対してブログで不満をぶちまけるような行為は,基本的に他人に迷惑をかけない(読まれてしまうと不快感を与えることになりますが)のでよいのですが,

 優秀な同級生に囲まれて,ただでさえ学校で苦しい思いをしている子どもが,家で執拗な「口撃」を加えられ続けるとどうなるのか。

 やさしい子どもは,ひたすら耐えることを覚え,おそらくブラック企業に入っても,ブラックであることに気づきもせずに一生懸命働いてくれるかもしれません。

 ただ,少なくない子どもが,「体の異変」を訴え始め,保健室通いをすることになります。

 本当に子どものことを思ってつらく当たっているのかどうか,

 自分の感情がどのように動いているのか,

 足もとを見つめてもらえると助かります。


>他者を批判・非難する場合の多くは,その根底に「嫉妬」の感情があるといわれています。しかし,この「嫉妬」の感情は,何かに嫉妬している自分を認めたくないという無意識的な感情も働いて,なかなか本人も気づけない場合が多いのです。

  ただ,嫉妬にかられた批判・非難は,そのこと自体による本人の成長は,あまり望めません。なかには嫉妬を興味にすりかえ行動力に転換する場合もありますが,むしろ根底の嫉妬に気がつくことのほうが,人間的な成熟が期待できます。

 その意味でも,自分の感情に気づき,コントロールすることが大切になってきます。



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