教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

2015年11月

イギリス人アナリストから学ぶ日本文化論~新・観光立国論



 外国人観光客が増加している。

 観光立国推進基本法に基づいて,3年前に閣議決定された
 
 「観光立国推進基本計画」によれば,

 来年までに訪日外国人旅行者数を1800万人にする

 という目標が掲げられている。

 今年の1月には,観光庁から2000万人に向けた取組みが発表された。

 著者によれば,この程度の数字は「驚くほど少ない数」だそうだ。

 2030年までに8200万人を招致することも不可能ではないという。

 現状では宿泊場所が足りなさそうだが,

 日本を訪れる外国人観光客増加の加速度は,

 予想もしないかたちで高まっていくかもしれない。

 
 外国人目線のニーズが多く語られる中,私の目に止まったのは

 多くの日本人の中にある「日本らしさ」理解に対する異論である。

   
>「日本の特徴の1つは,さまざまな文化をうまく取り入れて,自国の文化としてアレンジすることだ」というようなことをおっしゃる方がいますが,それは違います。

 異文化をうまく取り入れるのは,何も日本だけの特徴ではありません。


 このあと,「中東からきたキリスト教をヨーロッパの人々がどのように取り込んだのか」について,クリスマスを例に説明してくれている。

 日本の特徴は何かというと,

>古い文化を残しながら,次にやってきた新しい文化を取り入れること

 古いものがしっかりと残っていることの価値を高く見るのは,イギリス人らしいと思われるところである。

>「幅」のある文化的特徴というのは,外国人から見ると非常に斬新です

 どこが外国人の「ツボ」なのか,観光立国をめざす日本では探っていく必要があるだろう。


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「覚える」ことより「思い出す」ことを訓練することで創造力が高まる~考える力をつくるノート



 冒頭の茂木健一郎さんの説明によれば,

 よいアイデアを生み出すときの脳の働きは,何かを思い出そうとするときと同じだということです。

 「思い出す」という脳の使い方をすることで,前頭葉と側頭葉の間の回路が太くなる。

 ということは,創造性を高めるための工夫として,

 「思い出す」機会を増やすという方法が考えられます。

 「覚えさせる」→(テストなどで)「思い出させる」という教師たちのはたらきかけは,

 実は創造性を高める上でも意味があったことになる。

 「ひたすら暗記では思考力(創造力)は高まらない」という話は,

 以下のように言い換えるとよいかもしれません。

  「暗記させていてばかりで,それを思い出させる場を用意しなければ,思考力(創造力)は高まらない」

 ・・・・一概に「詰め込み教育」が悪いとも言えないという話になってきます。

 「思い出そう」とするには,一度,何かを「記憶する」「経験させる」必要がありますね。

 効率よく思い出す仕組み・・・「記憶法」というものがありますが,

 簡単に思い出せてしまうのではなくて,なかなか思い出せないことを

 しぶとく思い出そうとすることの方が大切なのかもしれません。

 そうすると,細かい部分にあえてこだわった「日記」をつける,というのも

 よい訓練になるかもしれません。

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大人のあるべき姿は,子どものあるべき姿でもある~よくわかる学校現場の教育原理



 
  子どもに求めていることは,教師や大人も実践すべきであるのは当然。

  この本の内容について最初に感じたことは,教師や大人だけでなく,

 人間として子どもにも求めるべきものだ,ということである。

  教育原理というより,よりよく生きるための行動原理が書かれている。

  いわゆる「指導力のある教師」なら,タイトルだけ見れば何が書かれているかわかってしまうだろう。

  たとえば,「指導主義」から「感化主義」への転換とは何か。  

  「語りが好き」な教師の中に,「飽きられている人」はいないだろうか。 

  「口うるさい親」をうざったく思わない子どもはいるだろうか。 

  「人柄志向」と「事柄志向」の違いは,私自身の想像とは少し違っていた。

  二分法でどちらかが10でどちらかは0という人間はあまりいないはずである。

  4:6くらいがベストなときもあれば,1:9にシフトすべきときもある。

  感覚的には体得できていることでも,それを言葉に表したり,

  できていない人に教えることは非常に難しいことである。

  実際に,「感化されない人」もいる。

  どういう子どもが集団の中で苦しんでいるのか,

  どういう子どもがリーダーシップを発揮するのか,

  そのような「子どもを見る目を学ぶ」というテーマで読んでみるのもよいと思われる。
 
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損得勘定を超えて行動できる人間を「道徳科」はつくれるか?~社会という荒野を生きる。



 道徳の教科化,そして文章で書くにしろ,教師が「評価」をする仕組みに変えるという点について,

 多くの人が気づいている「欠点」があります。

 それを三島由紀夫が「愛国教育への反対」という姿勢で示してくれていたことを,

 著者が紹介してくれました。

 「右翼だからこそ,愛国教育を徹底否定した」

 「右翼(主意主義)とは,損得勘定を超えて,内から湧き上がる力を愛でる立場である」

>愛国教育であれ兵役であれ,国への貢献(に向けた教育)の義務化を提唱する輩は,「損得勘定ならぬ,内から湧き上がる力」以外は実際には愛国には役立たないというギリシャ以来の知恵を,ないがしろにする無教養な田吾作に過ぎない。それが三島の考えでした。

 表面的にだけ,道徳的に正解だと「見取り」をされるような行動をとり,

 「見取り」をされない場では,本能のまま行動する人間・・・・・

 まだ,表面的にだけでもましにしたいという考えの人が多いのでしょうが・・・・・・・

 道徳教育の最大の欠陥にメスを入れる人が出てきてほしい。
 
 評価があるからではなく,評価などされなくてもできる力が道徳には必要なのですよね。


 次の一節は,教師にとっては耳の痛い話です。

>総理大臣の質だけでなく,日本の教員の質も考えましょう。そうすれば,道徳で成績をつけることを制度化するという施策が,「一番病」「優等生病」のインチキ愛国者を量産する結果を反復してしまうだろうことは,もはや明白すぎるはずです。

 明白すぎる・・・・英語に訳すと,「これより明白なものはない」という意味の言葉になるのでしょうか。

 文章はとても明快で読んでいて疲れませんが,

 自分自身が批判している相手にとても似ていることにお気づきなのでしょうか・・・。

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沖縄における「戦時体制」~戦争する国の道徳



 沖縄の人々を覆っているものを,対談の冒頭で鮮やかに描き出してくれています。

 すぐに今の沖縄は,言論統制が行われていた戦時中と何ら変わりがないということに気づかされます。

>キサマは内地の犬か
  
 と言われるのが怖いから,本当のことが言えない。

 気の毒な人たちです。

 沖縄県の人々にとって,「道徳」の授業が成立するかどうか,とても微妙なところでしょうね。

 本音が言えない空気こそ,「道徳」を空疎にするものはありません。

>どの社会にもいい面と悪い面があるけど,おじい・おばあを大切にする温かい沖縄の血縁社会は,他方で「もの言えば唇寒し」的な恐怖感を与え続けている。そうした状況を無視して「沖縄の連帯」「沖縄人のアイデンティティ」などと賞賛するのはダメ。こうした指摘を分断工作などと言うのはもっとダメ。

 堂々とこういう本を読んでいる,と公にしてしまうような人は,沖縄には居場所がないのでしょうか。

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