教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

2016年05月

コミュニケーションの働かない教職大学院と教育現場~手書きの戦略論



 7つの戦略を統合させることによって,「人を動かす」ことをテーマにした本である。

 私は,このような考え方を教育学者がぜひとも大学と教育現場の間のコミュニケーションに転用してもらいたいと願っている。

 なぜなら,いまだに大学は時代後れの「ポジショニング論」「ブランド論」に終始しており,続く5つのマーケティング・コミュニケーションが「仕事」に反映されていないと考えているからである。

>アカウントプラニング論 ~「深層心理」が,人を動かす

>ダイレクト論 ~「反応」の喚起が,人を動かす

>IMC論 ~「接点」の統合が,人を動かす

>エンゲージメント論 ~「関与」が,人を動かす

>クチコミ論 ~情報の「人づて」が,人を動かす


 悪口を広められているような状況では,いつまで経っても大学における教員養成は信用されないまま終わってしまう。

 教職大学院が本当に役に立つ機関だと教育現場が納得できるような機会をつくるために,ありとあらゆる方法を考え,できることとは何かを真剣に追い求め続けていただきたい。

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社会科教師の課題~コモン・グッドのための歴史教育



 レヴィスティク先生が昨日の国際会議で紹介してくれた事例は,私にとっては少々意外なものでした。

 私の場合,「貧困」は差別意識を高める,という認識を歴史で取り上げることが多く,たとえば『ミシシッピ・バーニング』という映画を活用して人種差別問題の背景を考えさせる実践などをしてきました。

 レヴィスティク先生の実践は,「貧困」地域における連帯意識や秩序,「貧困」地域の人々への共感を認識させることに成功した事例だったように思います。

 私も教育環境が厳しい地域で教員をしていた経験がありますから,

 「いかに子どもに希望をもたせるか」が社会科の授業をする上でも大きな課題でしたが,

 「今,そこにある希望」にもっと目を向かせることができたことを後悔しています。

 日本の場合,おそらくはアメリカと違って,社会科の授業中ではなくても,学校や地域でいくらでも「コモン・グッド」を考える場があり,災害が起こっても略奪や暴動が起こらない社会的な基盤が強固につくられています。

 本の中では,「そんなこと,社会科の授業でやらなくても」という話がたくさんでてきますが,もちろん,「社会科の授業でやっても」かまわないわけで,そういう研究をしている大学のセンセイは多いようです。


 さて,この本では,社会科教師による「カリキュラムの効率的網羅」を問題視していますが,

 現在の学校現場の課題は,「それすらできない」教師たち(特に若い先生方)が増えているということで,

 結果的に,『学び合い』しかできない,という大問題が一部で生じているわけです。

 そして,これも結果オーライかもしれないのですが,『学び合い』の方が,本当に成果が出てしまっている高校があるということです。

 翻訳本で400ページ以上もある内容のほとんどが無に帰してしまうような「実践」が現実に行われていることを,バートン先生やレヴィスティク先生がご覧になったら,どう思われるでしょう。

 本気で『学び合い』を導入すると,教師は今の2分の1~3分の1ですんでしまうのだそうです。

 『学び合い』を放置しておくと,そのうち,「教員になる人は,大卒でなくてもよいのではないか」という話になってしまいそうです。

 そこで私の頭に浮かんできた夢ですが,中学生に,小学生対象の「授業」をしてもらう,という実践はいかがでしょう。

 歴史がもっている何種類かの「おもしろさ」,「こわさ」を中学校の学習で理解した中学生は,小学生にどのような「授業」をすることができるでしょうか。

 小学生と中学生の間に,どのような「対話」が成立するのでしょうか。

 この本を読んで最も興味を引かれたのは,一部の「シティズンシップ教育」が,民主主義的な市民性育成として考えることができない,と主張している点でした。

 歴史教育の立場からの,公民教育の批判というわけですね。

>なぜなら,それらは非民主主義的な 政治制度下で行われる取り組みと何ら違いはないからである。

 こういう理解から導き出された言葉が,ある大学のセンセイの

 「学習指導要領=反民主的」というレッテルのようです。

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オバマ大統領がアメリカ史上・・・というより戦後史上,最大のレジェンドになれる理由~週刊新潮



 オバマ大統領の広島訪問まであと5日。

 初の米大統領被爆地訪問ということで,マスコミも相当に騒いでいるから,その分,余計に「がっかり」で終わってしまうことも考えられる。 

 「本物のレジェンド」になるためには,何が必要か。

 当日,何が語られる必要があるのか。

 原爆投下の是非については,アメリカ人でも年々,「正当だった」と答える人の割合が減っているようだ。

 年齢別の回答をぜひとも知りたいものである。

 原爆を投下しても,すぐに日本が降伏しなかった。本当に「戦争を止めさせる効果」はあったのか。

 ソ連参戦こそが,日本の降伏を促した理由ではなかったか。

 毒ガスの使用も禁止されている中,20万人の民間人を殺す残虐な兵器を使用したことの責任は。

 原爆の犠牲者には,日系アメリカ人やアメリカ兵の捕虜がいたことに関しては。

 
 日本の歴史教育では,

>戦後のヘゲモニーを握るため,ソ連にアメリカの力を見せつける必要があった

>わざわざ最も被害が大きくなる広島と長崎を選んだのは,戦後,アメリカ中心の国際秩序を築くために,原爆の威力を最大限に見せつけなければならなかった

 (カリフォルニア大学サンタバーバラ校歴史学部の長谷川毅教授)


 つまり,原爆を投下した理由は,「軍事」よりも「政治」的な意味の方が大きかった・・・・
 
 という内容を教えるようになってきています。

 そして,原爆投下が「唯一の選択肢」であったという論理は,根底から覆されているということ。

 こういう実態を踏まえ,アメリカ人の意識の変化も受けて,「核なき世界」の宣言で

 ノーベル平和賞を受けたオバマ大統領が「言えること」「言うべきこと」とは何でしょうか。

 日本人や世界の人々が「謝罪」よりも強く求めていることは何でしょうか。

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なぜIT企業が「男性の職場」なのか~クーリエジャポン



 なぜプログラミング学習で女子がつまずくのか。

 その理由は,男子より女子の方が「失敗を怖れる傾向がある」とのこと。

 イギリスでも日本でも,同じ傾向があるような気がする。

 プログラミング学習は,「間違いを重ねていくことに他ならない」ものだそうだが,

 こういう考え方を,他の教科でも実感できるような教育をしたいものである。

 2年前からプログラミング学習を小学校から導入するようになったイギリスでは,どのような成果が出てくるようになったのだろうか。

 ちなみに,プログラミング学習を導入するかわりに,どのような学習をしなくなったのか。

 現在,日本では小学校で英語を教科にして授業をするかわりに,何を削るべきかで困っている。

 国語を削れば大批判を浴びることが必死だし,理数系の充実も求められている。

 道徳も教科化される。ということは,犠牲になるのは社会科か。総合的な学習の時間か。

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終身雇用教授の廃止~ヤバすぎる経済学

ヤバすぎる経済学
スティーヴン・D・レヴィット
東洋経済新報社
2016-04-15


 校長にしろ,大学教授にしろ,いったんその職を手に入れると,よほどのことがない限り,というか,まず間違いなく,「教諭」や「助教」などに「降格」することはない(辞めて現場から去ることになる)。

 「終身校長」や「終身教授」への忌避感が強い文化と弱い文化が存在することは理解できる。

 経済学の分野での「終身教授」には意味がなさそうなことは,この本を読めばよくわかる。

 今,教育の分野で「何でもアリ」的な発言を繰り返している大学教授がいるが,

 熱心に取り組んでいるのは研究ではなくて市販本の執筆である。

 大学教授の勤務体系はどうなっているのかわからない。

 昼間からブログを書く暇も,本を書く暇も十分にあるようだが,こういう人がつかえているために

 どんなに努力しても「教授職」を手に入れられない人がたくさんいるのは気の毒に思える。

 ただ,キャリアの早い時期にとても強いインセンティヴを与えられながら,その後はとても弱いインセンティブを与えられることになる「教授」本人に罪はない場合もある。

 「終身教授」という制度自体の問題である。

 教員免許更新制度の次は,「教授」という地位の更新制度の導入か。

 以前にも書いていたことだが,私が受講した免許更新講習の講師をつとめていた大学のセンセイは,いくつかの「間違い」を犯していた。

 免許更新講習の質の保証がなされていないのも問題である。


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