教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

2016年09月

脳はNOと言っていない~松岡修造




 
 脳は壁を乗り越えるときに,感動や快感をもたらしてくれる。

 だから脳は高い壁を欲している。

 人間をコントロールしているのは何か。

 「心」という物理的に測定不可能なものから,目に見える

 「脳」へと研究の重点がシフトしている。

 いずれ,「心理学」は「脳理学」 「脳科学」に立場を奪われてしまうのだろうか。

 「心」はコントロールしにくそうだが,「脳」なら「頭」を使って何とかなるかもしれない,

 と思うのはやはり「脳」の働きである。

 しかし,人間は「頭を使えばどうにでもなる」という生き物でもない。

 「効果的な講義法」の紹介で講演をしている人は,

 とにかく「感情に訴えること」を最優先にしているようで,

 教育の世界でそれを言われてしまうと,身も蓋もない結果に陥るおそれもある。

 子どもは先生が感情的に好きになるから勉強ができるのであって,

 先生が嫌いなら成績は上がらない,と言われてしまうと,

 本当に嫌われている人の立場はない。

 親はどうか。

 がみがみ言ってくる親でも,そして虐待レベルのことをされても,

 心の底から嫌いになるのは難しい。

 人を「好きになること」と勉強が「できるようになること」の相関関係は,

 もう少し慎重に検討した方がよさそうである。

 やがて,「脳の翻訳器」が登場するかもしれない。

 雰囲気を出すためには,頭につける電極が必要になる。

 困ったことがあったら,自分の「脳に相談」してみる。

 「脳はNOとは言っていない」のに,どうしてもやりたくないことがあったら,

 相当つらくなるかもしれない。

 だから「自分の脳への信頼を高める研究」が必要になる。

 もし「脳の性能に,それほど個人差はない」という研究結果が出てくると,

 自信を持てる人が増えるだろう。

 しかし,「脳の性能を劣化させる生活習慣」の中に,たとえば

 「スマホを1日何時間以上見ること」などがデータとして上がってきたら・・・。

 「脳科学研究所」には,こういうデータの集積があるのだろうか・・・。

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立場があると「本気」になれない人たち~本気の教育改革論



 高校向け月刊雑誌の対談をまとめた本ですね。

 寺脇研さんの経歴はだいたい知っていましたが,「現職」が何かは帯や巻末には書かれておらず,本文を読まないとわからないのは編集者のミス?でしょうか。


 読んでみてとても残念だったのは,やはり文部科学省事務次官とか元副大臣,大学教授といった「立場」がある人というのは,本当に「本気」で言いたいことは言えていないのだなということ。

 一方の寺脇さんは,けっこう言いたいことが言えている。

 失うものがない立場にならないと,勇気のある「本気」の教育改革論は述べられないのでしょう。


 日本では,パートナーシップ型の組織運営が大切だ,と言われており,学校運営でもそういう働きが重視されているようですが,現実問題としてはどうでしょうか。

 問題に直面すると,どこかでパワー型のリーダーの存在を求めようとする。

 そんな「敵前逃亡型」の人が社会には多い。

 哀しい現実は,教育現場の中にもいるということ。

 中学校の校長を3年間経験した浅田和伸さんは,「教員=多忙」というイメージについて,こう語っている。


>(寺脇) それから,「教員は忙しい」というのは本当なんですか?

>(浅田) 人によります。どんな仕事でもそうでしょう。真面目にやればやるほど,いくら時間があっても足りない。
 
>(浅田) 全体として世の中の他の職業と比べて特別忙しいかと問われれば,そうは言えないだろうと思います。

 その通り。「忙しい」と自分から言っている人は,仕事が嫌いか,暇な人かどちらかです。


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新冷戦の勝利=資源貿易による安定した利益(コールダーウォー)



 週刊ダイヤモンド9月24日号のコラムで櫻井よしこさんが紹介している本。

 安倍首相はロシア=プーチン大統領との関係前進にとても積極的だが,プーチンの世界戦略は分かりにくいという。本書の著者は,「ベタベタのプーチン派」ではないかと感じられるそうだが,プーチン大統領側の考え方を知るにはとても役に立つという。

>新冷戦においては,「戦いの武器はもはや戦闘機や戦車ではな」く,石油,天然ガス,ウラン,石炭などであり,それらを利用可能にするパイプライン,港湾施設などのインフラ整備である

>あらゆる資源に関してロシアへの各国の依存度を高め,資源輸出によって生ずる富と力に直結させることで新冷戦における勝者の立場に立ちたい


 資源の乏しい日本にとって,重要な貿易相手国であることは確かである。

 政治体制のいかんにかかわらず,世界の国々とは友好関係を結び,世界の平和と安定を維持する上でも日本は貢献していきたい。

 資源もない,領土も返還されていない日本が世界の平和と安定に貢献するための武器とは何なのか。

 世界情勢を分析し,それを理解するだけにとどまらないリーダーの出現が望まれる。





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失敗が許される環境が大事~アクティブ・ラーニングを考える



 読んでいるだけで腹が立つ似非「アクティブ・ラーニング」本がどんどん増えている一方で,

 「教育課程研究会」という全国にいくつあるかわからない団体の関係者が持論を寄せている本書は,その「教育観」の一端が垣間見えるという点で,意義のあるものである。

 実際には,もう二十年以上前から言われ続けている内容も多いのだが,いくつか紹介しておきたい。

>かつて「教育」と言えば,単に「生徒たちに何かを教えること」を意味していた。しかし,今や「教育」と言えば,それは,「ますます不確かで,移ろいやすく,先が見えなくなっている社会という海で,自分たちが進むべき海路を見つけるために頼りとなるコンパスや航海術を生徒たちが確かに磨けるようにすること」を意味する。(OECD教育・スキル局長 アンドレアス・シュライヒャー)

 明治維新や占領下の日本人も同じ感覚だったと思うが,日本は「海外に学ぶ」という方法で外国と肩を並べるところまで成長できた。

 未だに教育界では外国の教育書の翻訳に熱心だったり,物マネがさかんだったりするが, コンパスや航海術をもっていない教師が,子どものそれを磨くことが可能かどうかを実証できた人はいるのだろうか。

 アメリカの公教育の崩壊状況を報告してくれた本が出版されている。

 「海外の物マネ」ではなく,「寺子屋」のような教育が成果を上げている足もとをしっかり見ておくべきだろう。

>アクティブ・ラーニングは,知識が行き詰まり,急速にその価値を落とすような世界から,コミュニケーションや協働力が高まり,増えていくような世界に,学校を変える。(同上)

 ヨーロッパで引き起こされた2度の大戦ほど,それまでの価値観を一変させた出来事はないだろう。

 ヨーロッパの学校は,移民や難民をどんどん受け入れる土壌をつくっていく母体になろうとしているのだろうか。

>企業人が身に付けた知識をどのように生かして,絶えず変化する実社会の中で意思決定を行っているのかを知ることは,子供たちにとって大きな刺激になるだろう。(中教審会長・株式会社三井住友銀行取締役会長 北山禎介)

 生き残る「企業」があれば,「敗者」となる企業もある。企業世界の「勝者」の論理だけで,子どもたちは救われるのだろうか。

>次世代を育成する学校教育では「生きる力」を育む中でリテラシー(いわゆる「読み書き」のような基礎・基本)の習得を掲げているが,激変する実社会においては,身に付けたリテラシーを社会生活で活用・応用して「生きぬく力」=コンピテンシーへと変換するプロセスが不可欠である。(株式会社キャリアリンク 代表取締役 若江眞紀)

 もともとコンピテンシーは,企業で高業績をあげる社員の行動特性を意味していた。

 企業は,「高業績を支える人材」がほしいのである。自社の生き残りのために。

 社会生活でリテラシー活用・応用するための基礎は,「失敗をさせてくれる機会づくり」にあると思われる。

 いくらクリエイティブな活動が好きな子どもでも,失敗が許されない企業でつぶされたら意味がない。

 ・・・・学校教育への期待はわかるが,企業ができないことを学校にだけ求められても困るという話である。


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皇室の歴史~週刊ダイヤモンド



 週刊誌とは思えないほど,歴史的な部分も含めて分厚い充実した内容になっている「皇室」特集。

 投票で選ばれたはずの「世襲議員」を批判しても,純粋な世襲である天皇を批判する人はいない。

 皇室に対する支持がとても高いことは,先日の天皇陛下のお言葉に対する反応からもよくわかる。

 国事行為と公的な仕事,私的な仕事の違いなど,普通の「教科書」には書かれていない「皇室の常識」を知ることができるが,「ここまでたくさんの仕事をお一人で・・・・」「しかも,『定年退職』を認められずに・・・」とさらに心配になってしまう。

 国民は「象徴天皇」に何を望むのか。どこまで要求をするのか。

 記事では,共産党のある行動を初めて知ったが,これが単なる「選挙対策」ではなく,「国民の声」を背景にした「新しい価値観づくりの始まり」であってほしいと願いたい。


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