教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

2016年12月

戦争観が問われる時代に~日本人の「戦争観」を問う



 安全保障政策転換後の自衛官の養成はどうあるべきか。

 自衛官は,どのような「戦争観」「国家観」をもって,軍事的な「衝突」が起こっている実質的な「戦地」に赴くのか。

 筆者は,「あの戦争」の問題や敗因をわかりやすい考え方で説明してくれています。

 たとえば,なぜ「特攻」という生存率ゼロの作戦を実行に移させたのか。

 それは,

>物理的,軍事的な効果を求めたものではなく,「多くの若者が国を守るためにここまでやったのだ」という事実を歴史に残すことに意味を求めた軍事計画だった

 という説明で,納得がいきます。陸軍の玉砕も似たようなものだと。

 日本には,軍事に対する自前の「学」や「思想」はなかった。

 戦術はいくらでもパクれるが,自分の国独自の戦略を描けなかった。

 大陸国家と海洋国家の両方を追求するような戦略を平気で採る。

 AかBを選ぶべき時に,AをねらってあわよくばBも手に入れる,という「願望」で作戦を決める。

 ミッドウェーの敗戦にしても,アッツ島守備隊の玉砕にしても,作戦ミスが尊い多くの命を奪う結果になったのは明らかです。

>僕はよく,日本軍の病理として,自身の主観的願望を客観的事実にすり替えてしまうことがあったとこれまでも指摘してきました

 自国はおろか,他国の主観的願望が日本の人々の客観的事実にすり替わっていることになっていないかと,検証すべきときでしょう。
 
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成長する人としない人の違い~象の鼻としっぽ

象の鼻としっぽ
細谷 功
梧桐書院
2010-10-21


 同じものを見ているのに,感じ方が異なる・・・

 美術作品や音楽を鑑賞するときには,それがあまり不自然には思えませんが,

 日常生活における人間関係では,「コミュニケーション障害」「コミュニケーションギャップ」という受け止められ方になります。

 本書では,冒頭にこの原因を

>①人はみな自分中心にしか考えられないこと

>②「伝わっている」という幻想

>③「象の鼻としっぽ」の構図で同じ象が人によって違ってみえていること


 の3つで説明できる,と著者は主張しています。



 同じだけの勉強をしているのに,ある人は点がとれるけれど,

 ある人は的外れの解答ばかりしていたり,理解しているはずなのに正解にたどりつけない・・・

 多くの人は「賢さ」「頭の良さ」「IQの高さ」が異なるからだと考え納得してしまうのですが,

 本当にそうなのでしょうか。



 「ものの見方や考え方の違い」が決定的な差を生んでいる・・・・そういう話が
 
 「フィルターの枠の大きさが異なる」ことによるギャップ」の部分で説明されています。

  成長の原動力はどこにあるのか。

 枠の小さい人は,自分の基本能力と基本の重要性の認識のギャップがあまりない。

 それが成長しにくい原因だといいます。

 「基本が大事」という言葉を聞いたときに,「基本」を小さく,少なく,わずかなものであるはずだ,ととらえる人には,そもそも成長するための前提が備わっていない,という認識は,小さいころから子どもに言い聞かせたいものです。



 日本の教育政策は,「枠の小さい」人たちによって動かされているので,残念ながら「成長の限界」がはじめから見えてしまっているわけです。

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小国ゆえにこだわる「正しい」民主主義~週刊東洋経済

週刊東洋経済 2016年12/24号 [雑誌]
週刊東洋経済編集部
東洋経済新報社
2016-12-19


 朝鮮半島,韓国の歴史について,タイトルに示した特集の文章(神戸大学の木村幹教授)ほど,簡潔で把握しやすいものを読んだことがなかった。

 「韓国のナショナリズムと歴史観」が手に取るようにわかる。

 中国の王朝交代ごとに,戦乱や政治的混乱の渦中に巻き込まれてきた国である,という漠然としたイメージはつくりやすい。

 海を隔てているものの,日本への影響も少なくない。しかし,朝鮮半島へのインパクトの大きさは,当時の人々から見れば計り知れないものであっただろう。

 そういう国だからこそ,どのように「アイデンティティ」を育んできたかを知る意味がある。

 現在,政治的な大きな混乱が見られる韓国が,どうしてこうなっているのか・・・「大統領のしたこと」という近視眼的なものではなく,歴史的背景も踏まえて考えられるようにする意味でも,「生い立ち」や「強烈な性格が育まれた経緯」を知ることは重要である。

 朝鮮半島で,なぜ「小中華」意識が生まれたのか。

 「正しい民主主義」に込められた思いとは何か。

>韓国の人々にとって「民主主義」とは単なる政治形態にとどまらず,世界に対するアイデンティティとして誇るべきものなのである。

 ・・・と言えるのはなぜか。

 日韓外交を行う上での最低限の知識が,ここにあった。

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21世紀への安易な楽観と100年前の絶望~トランプ大統領の衝撃



 アメリカ大統領選における民主党陣営へのサイバー攻撃。

 今回の選挙で,もしメールの流出がなかったら,結果はどうなっていたのだろうか。
 
 CIAの分析をロシア側は否定しているが,

 親ロシア的な発言を繰り返しているトランプ氏側にとって,

 サイバー攻撃やメールの流出がなかったら・・・と考えてみると・・・。

 
 100年前,ヨーロッパで起こった戦争によって,それまで「文明の頂点」にいたはずの人々が,

 いかに野蛮であるかを全世界に知らしめることになった。

 映像によってその全貌が記録に残されている第一次世界大戦。

 勃発時,ピクニックに行くかのような楽しげな出征の様子が残されている。

 人々は,どうしてそんなに楽観的でいられたのか。

 
 そしてそこから100年後。

 人々は,100年前と同じような楽観的態度で,

 「グローバリズム」の進展をとらえているのではないか。

 これから先,というより2017年には何が待ち構えているのだろうか。


 
 多くの人が,意外な選挙結果を受けて,予想をはずした理由を考えている。

 本書は「認識の甘さ」「認識の浅さ」を指摘し,日本がとるべき道の提案から始まる。

 
 トランプ氏は選挙戦中,ブレることなく「演じる」ことに徹していた。

 日本は,アメリカの変化を想定し,ブレない立場に徹するべき,という主張である。

 「アメリカありき」という前提を取り払ったところに,

 日本という国の本来立つべきあり様が見えてくるかもしれない。

 「風下外交」からの脱却。

 
 実は,トランプ大統領の誕生によるアメリカの変化よりも早く,ずい分前からすでに日本が変わり始めているということを,指摘する人は少ない。

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情報の深層~週刊東洋経済



 情報収集の手段がインターネット中心になりつつある今,

 「情報に操られない」ようにする能力がますます高まっている。

>エセ健康サイトは氷山の一角だ
>自称愛国者は情報弱者だ
>日経のニュース判断を信じられるか
>私はストーリーの裏側を語る
>座って得られる情報に玉なし


 といった読む側に「構え」が必要な特集から,

>独自思考を生む情報収集の極意
>情報戦を勝ち抜くエース社員の知恵
>ブラック企業はこう見抜け


 といった「ノウハウ」ものまで,読み応えのある記事が多かった。

>池上彰 ニュースのプロの選別眼と盲点
 「私がトランプ当選を見抜けなかった理由」

>佐藤優に学ぶ知の鍛え方 デジタル機器を超活用

 などにも最初に目を通しましたが,エバーノートの実際の活用法などが参考になった。

 情報に関係した情報を特集したこの号では,まさか特集記事の中に

 「検証が不十分」などという批判を受けたら会社の信用が落ちてしまうので, 

 それなりの緊張感も編集部にはあったと思われる。

>独自思考を生む情報収集の極意

  
で紹介されている石破茂衆議院議員の

>自分と反対の主張をする著書にも目を通す

>自説の正しさを確信するには,違う立場からどう見えるかも理解しなくてはいけない。

>こうすれば野党からのどんな質問にも反論できるようになる


 という言葉や,「自分の言葉で話せるようになるまで本を読み込む」という姿勢は自分も大切にしたい。

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