教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

2017年07月

恐怖の公共料金~水道クライシス



 全国各地で水道管の老朽化が進んでいるらしい。
  
 しかし,交換するにはカネがかかる。
 
 ちょっとやそっとの水道料金値上げでは,水道管を交換し,断水などを回避することは困難だということだ。

 全国で最も水道料金が安いのは,2015年のデータでは山梨県富士河口湖町。富士吉田市や忍野村もベスト10(安い自治体)に入っている。

 その理由は富士山周辺を観光で訪れたことがない人でも,容易に想像がつくだろう。

 一方,北海道のいくつかの都市が,ワースト10入りしている。

 ワースト1の水道料金は,ベスト1の約8.2倍の高さである。

 今,水は宅配で頼めばいつでも手に入る。蛇口をひねると必ず水が出る。

 こういう国にあって,「当たり前」の向こう側にある事態を知ることは,とても重要であると思われる。 

 すでに,水道料金が高騰している地域では,水を多く使用する製造業等の事業所などほとんど存在しないのではないか。

 水道だけではない。

 全国の電気を使っている事業所の方が頭を抱えている問題は,

 「再生エネ発電促進賦課金」が増大していることである。

 水道も電気も,消費税増税による負担増どころの話ではないほど,支払いが重くのしかかっている,という事業所が少なくないだろう。

 水道代や電気代が一定の期間払えないと,水道と電気が止められてしまう。だから,節約を呼びかけて,使用量を減らそうと努力するのはわかる。だがそれにも限界がある。

 コンセントやスイッチの向こう側,水道の蛇口の向こう側に目が向けられる子どもが育てられるとよいと思われる。

  
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人間関係を大切にするな!~弱いつながり



 「ネットは体力勝負の消耗戦」という指摘を著者がしていますが,

 私の場合,「ネット」ではなく「教育現場」が戦場です。

 本編で「子どもからエネルギーをもらう」という話を書いていますが,50もらって500使うなんていうこともたびたび起こります。

 教師の仕事は,10もらって1000使う,なんてことをたくさん経験し,借金が1億くらいたまったところで,卒業式を迎えて,一気に返済してしまうことの繰り返しです。

 教育がうまくいってもいかなくなくても,決まった額の給料が毎月振り込まれてくるのが教師という仕事の甘やかされている部分ですが,「批評家」という仕事は本当につらく厳しいものでしょうね。

 「老い」に関する記述では,子どもができてまとまった時間がとれなくなった悩みが紹介されていました。私も同じ悩みをもっていましたが,子どもが大きくなるにつれ,それなりに復活できるのではないでしょうか。

 「批評家」という職業が成立するための条件は,「なるほど」と読者を唸らせる底力が必要ですが,著者がどのようにそれを身につけることができたかが示されています。
 
 教育では「強い絆が築かれること」を重視してきた流れがありましたが,「弱くて緩い絆」も大切であることに気づかされました。
  
 子どもたちが「一人も見捨てない」なんて息苦しいことを言われなくてもすむ教育現場のあり方を,探っていきたいと考えています。

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「良い子のふり」をさせられてきたツケの負債は重い~道徳の「成果」




 進学する子どもについての情報交換で,私たち中学校の教師に対し,小学校の教師から,「この子は(言うことを聞かなくて)大変です」と伝えられた子どもほど,中学校では生き生きとリーダーなどもこなし,「この子はピカイチです」などという子どもは逆に問題行動を起こしたりする・・・こういうことが経験上よく起こります。

 どうしてでしょうか。

 経験豊富な小学校教師は,よくわかっているようなのですが・・・。

 小学校で「良い子のふり」をしてきた子どもは,中学校に進学した後,その「意味のなさ」に気づくと,我に返るのです。

 「道徳の授業では,あんなに輝いていたのに・・・」

 道徳の授業で輝く意味などないことに,子どもは気づかされなかったのでしょうか。

 平気で人のものを隠す。陰で悪口を言う。でも,道徳の授業では正義の仮面をかぶる。

 なぜ見抜けないのでしょうか。

 いじめのアンケートをとってみると,

 「先生は,なぜ見抜けないのでしょうか」という子どもからの悲痛の声が寄せられることがあります。

 「わかっていますから」とは答えにくいのですが,

 もしかしたら,教師が知らないようなひどい思いをさせられている子どもはもっとたくさんいるかもしれません。

 「表の顔」と「裏の顔」がうまく使い分けられるようになる・・・・

 そんな道徳の学習の「成果」を子どもは知っているのです。

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小学校教育の質を変える起爆剤は英語か?~英語で一流を育てる



 本書の中で,これからの小学校の英語教育に対する危惧が示されていますが,正鵠を射ています。

 私の予想は,以下の通りです。

 2020年以降,日本を代表する「ダメな英語教育」のさらなる劣化版が小学校で始まる。

 やがて,「本当にダメ」であることに,国民全体はもちろん,英語教師たちが気づく。

 そして,「本当にダメ」なのは,従来の小学校教育全体であったことに気づき始める。

 何が「ダメ」なのかというと,教えてあげる内容,自ら学ぶ内容が少なすぎることが,国際比較でも明らかになる。薄っぺらい教科書で学んでいるのに,それが定着しないのは,単純に「薄っぺらいから」であることにようやく気づく。

 やがて,小学校教育全体の改善策が提案され,一部の学校で実践が始まる。

 おそらくは,小学校教育が改善する前に,新しいタイプの塾が増え始め,それを小学校が真似しようとするが,結局は上手くいかなくなる。

 新しいタイプの学び方をしてきた人が教師になるくらいの時期から,小学校教育が立ち直る。

 2040年ころが,日本の教育改革が初めて「成功」するチャンスなのである。

 しかし,「すべての子どもが消化しきれない」ことを理由に,2030年ころに方向性が変わってしまい,せっかく「成功」するはずだった変化が,起こらずに終わる。

 10年サイクルでころころと方針を変えることが,「教える人」と「学ぶ人」の実力や感性のミスマッチを生じさせ,結局ただただ失敗を繰り返す運命にあるのが,日本の「教育改革」という「自滅政策」なのである。

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授業記録のつけ方~授業の見方



 久しぶりに,著書名と内容がしっかりつながっている本を読みました。

 第1章は新学習指導要領の周知のための「宣伝」みたいなものでしょうが,本体は第2章以下の「知る」「生きる」「生かす」にあるわけです。
  
 著者の先生には失礼かもしれませんが,こちらの本で注目したのは

 実際の手書きの授業記録です。

 以前に,小中の先生が一緒になって小学校や中学校での授業づくりをしたことがありました。

 中学校での私の授業を,とてもユニークな方法で記録されていた方がいらっしゃって,しばらくして,そのときにコピーをいただけておけば・・・と後悔したのを思い出しました。

 何パターンかの授業記録が紹介されていますが,すべて正に職人技です。
 
 小学校の先生で,今,こういう記録をとれる人は何人くらいいらっしゃるのでしょうか。
 
 記録がとれるということは,ある一定のパターンの授業があるということをご存じで,

 ある程度「次が読める」人でないと,ちょうど1枚の紙にまとめてしまうのは難しいと思います。

 私は平均してB5ノートだと5~6ページにメモがわたってしまいますが,

 1枚にまとめて授業の流れを「見える化」してくれる技は素晴しいものでした。

 指導案自体が,こういう形式でもかまわないと思いますし,

 型にはまるというデメリットもあるかもしれませんが,小学生への教育にはピタリとはまるのかもしれません。

 できたら,素晴しい実践を通して実際に能力が高まっている子どもを中学校では教えたいのですが・・・。

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