「小学校教育の現状と今後の在り方検討委員会」の提言が,昨年12月に出されていることを知りました。この中に,「働き方改革」として3つの提案が示されているのでご紹介します。
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○ 小学校教員の働き方改革を進めるためには、専科教員等による指導体制を構築することによって、学級担任の空き時間を増やしていく必要がある。
○ 教員一人一人の指導の質の向上と授業準備等の効率化を図るために、授業におけるICT機器やデジタル教材の積極的な活用や共有化の推進を図る取組について検討する必要がある。
○ 教員が担うべき業務である学習指導や生活指導において、児童一人一人への対応に注力できる環境を整備するために、校務運営や授業準備等を支援する人材の配置や、学校支援ボランティアによる教育支援活動を行う体制を構築する必要がある。
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中学校にも関連がある2つ目の内容について,現場で起こっている問題をご紹介します。
最近,中学校の理科の教師の中に,デジタル教材で実験の様子を説明するだけで,実際に実験室で器具を利用した学習を行わない人が出てきるそうです。
荒れた中学校で,実験器具を触らせることが危険だとか,生徒の安全が確保できないとかいう理由で実験室が使われない可能性はありますが,「技能」を育てない教育はNGでしょう。
学習指導の質が向上するのではなく,ただ教師が実験器具の準備や片付けをしなくてすむ=労働時間が少なくてすむような「改革」を阻止する方法はあるでしょうか。
実験器具の準備も自分でできない人を採用したところで,意味はないでしょう。
どこかの大学のセンセイは,「実験をさせる意味はない」と公言しているようですが,採用時にきちんと確認しておくべき点はたくさんありそうですね。
いずれにせよ,「働かない改革」に陥らずにすむ方法を真面目に考える必要があるでしょう。
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