戦前の政党政治は,国際協調・軍縮が求められた時代における軍事費の抑制など,一定の評価をすることができる。ただ,
>反対党の不正を暴き,新聞に掲載されることが相手の大きなダメージになるので,暴露合戦が熱心に行われた・・・疑獄・買収・乱闘などの政党政治の弊害は,国民に知れ渡った(筒井清忠帝京大学教授の記事「現代日本まで地続き 戦前のポピュリズム」より)
>天皇を中心にした警察(広くいえば内務官僚以外の官僚,軍部)のような中立的と見られた勢力によって社会が統合されることが望ましいといった機運が,国民の側から醸成されていった。一種の「天皇親政」待望的ムードが作られ,政党内閣から非政党内閣への変貌がむしろ望まれてしまった(同上)
党利党略にどっぷりつかった政党=国民の敵
中立的な天皇,軍部=国民の味方
という図式のもと,新体制=近衛内閣は国民の人気を集めて始まり,やがて戦争を迎えることになった。
「既成政党=ダメ,支持政党なし」が多数である現代の日本には,次に何が待っているのか。
「国民の敵」と国会議員を呼んだのはだれだったのか。
「国民」とは何かを問う力を子どもたちには養っていきたい。
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