教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

2018年11月

ゴーン?仮定法過去完了?攘夷運動?



 どこがどうなっていたら,逮捕は避けられたのか? 

 まだ世界で起こっている大きな自国民(の政権支持者)優先主義の流れを傍観しているのが日本だが,いずれ,相変わらずの「攘夷運動」が沸き起こってしまう危険性を感じている。



 公営事業が民営化,それも外資に売られる時代がやって来る段階で,日本人の目が覚めてしまい,「手遅れ」なのにまた時代を逆戻りさせる動きが加速する恐れがあると思われる。

 今回のゴーン氏の逮捕の背景には,「日本企業が植民地支配を受けていることへの抵抗」という見方があるらしい。グローバル化・自由化は,強者が弱者を食いものにする仕組みであり,弱者にとって有利な考え方である「公正さ」が重要視されるようになると,今のアメリカのような姿になる。

 ゴーン氏は容疑を否認しているそうで,「司法」へと注目が集まる土壌ができた。「司法」は「自由」ではなく,「公正さ」を看板に掲げているはずだが,「独立性」には疑問があるだけに,成り行きには興味もある。

 「司法取引」のメリットやデメリットについても,国民の関心が高まるだろう。

 「司法取引」は,だれにとって都合のよい仕組みなのか。「取引」がうまくいけば,刑が軽くなるという犯罪者にとってのメリットは,犯罪の増加につながらないか。

 いくらでも「狙い撃ち」が可能になるのではないか。どっちにしても,恐ろしい時代になった。

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エビデンス重視の教育政策が生むモノ



 エビデンス,エビデンス,と何とかの一つ覚えの大合唱が始まった。

 学校における儀式的行事が大切であることを示すデータ=エビデンスがなければ,いずれフランスのような学校になる。

入学式や卒業式などの儀式的な行事,制服や校歌,また生徒会活動やクラブ活動がないことである。フランスでは学校は何よりも学科を教えるところなのだ。

 「フランスの教師は楽勝だ」という学生が増える。塾のおかげで大学に入ってきたそういう学生に特別活動の意義を教えるのは難しい,だから,もうそんなものはなくしてもらおう,という大学の教員が増える。お友達の行政マンが,本当に「なし」にしてしまう。悲しい未来予想である。

 子どもにも,進学や進級に値するエビデンスが求められると,何年経っても進級できない子どもが登場してくる。「落第・飛び級がない」日本の教育システムが優れているというエビデンスはどこにあるのだろう。

 バカロレアはすでに日本でも真似しだしているが,その成果を示すデータを見てみたい。

 ところで,英語の学力調査で,「話す試験」が導入されることになっている。
 
 パソコンに差したUSBメモリに録音したデータを入れるらしいが,40人が同時に音声を吹き込むと,どういうことになるか,想像できるだろうか。外の音が完全に聞こえないヘッドホンを用意する必要がある。そして,そのデータを分析して得点をつけるために,何人の採点者をどれくらいの時間,いくらくらいで雇うのだろう。業者に発注してもよいのだが,業者がアルバイトを使って採点したデータの信憑性はだれがどのように保証するのだろう?
 
 子どもが話し合ったり聞き取ったりするデータをすべて集めて保存し,成績を加味したAIが「最も優れた動き方」を示せることになるという。いずれ子どもたちは,AIの言いなりに動くロボットになっていくらしい。

 単純に数値化できないものが多いことが人間らしい営みなのだが・・・。データ化されたものがやがて一人歩きする時代になる。そんな時代の子どもは本当に気の毒である。


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公教育の成果をビジネスの道具にしている教員への疑問

ビジネスモデル2.0図鑑
近藤 哲朗
KADOKAWA
2018-09-29


 週刊東洋経済の記事で知ったのだが,この本は発売2週間以上前に,全文がインターネットで公開されたそうだ。発売前にすべての内容を公開してしまったのに,発売2日後には重版出来が決まったという。
 2600円というのは,少し高めの価格設定だと思うが,人は「全文公開しても,その内容が優れており,1冊の本として手元に置いて起きたい,という気持ちになるような立派な本なのだ」と購買意欲を高めるものだ,と考えられるのだろう。

 「非常識」の中にこそ強いビジネスモデルがある,というメッセージを,「発売前全文公開」という形で表現した背景には,「経済合理性だけでは足りない」という意識や,「稼ぐということへの嫌悪感」があったらしい。
 
 小学校の教師たちの中には,教育公務員なのに教育をビジネスの道具として利用する人間がいる。
  
 まさに今日,ある講演会の中で,講師が土日の「セミナー」や本の「出版」の例を持ち出していた。

 有料のセミナーを開いている教師や,教育実践を本にして出している教師たち(自分の大学)を持ち上げていたのだ。

 土日の勉強会を開くのに,参加者から金を徴収して自分の懐に入れるという発想は,中学校や高校の教員にはないのだ。また,よほどの人でなければ,中学校や高校の教員では単著を出せない。出せる人は,公立学校の教員など辞めてしまう。小学校の教員の場合は,「個人名で本が売れる」環境があるから,「儲けの道具」「大学教員になるための道具」になっている。

 私は何度も書いているが,公教育の立場にいる人間は,自分の仕事を金儲けの道具に使うべきではないと考えている。出世の道具に使うなとまでは言えないが,教育の成果を世間に広めたいのなら,ネットで公開すればいい。情報がいくらでも発信できるこの時代に,「本」でないと伝わらない,ということはない。

 小学校教員が,土日にヒマなのはよくわかる。この間に金儲けすれば,家族に還元される,というのもよくわかる。しかし,こういうサイドビジネスがなぜ放置されているのか,私には理解できない。

 私は,表紙に使われた(当時の)小学生たちが不憫でならない。将来(中学校に入って)どうなるかわからない子どもたちが,自分が死んでも顔が晒され続ける事実に抵抗を覚えても,手遅れなのである。文章までまともに読む子どもは少ないだろうが,「編集」された内容を読んだり,「種明かし」された「騙し技」を読んだりして,不快な気持ちにはならないのだろうか。

 子どもを金儲けの道具に使うのはやめてほしい。 

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統計的差別と統計への恐怖~女性管理職は増えるか



 統計に基づく合理的な判断が,女性に不利な結果になる「差別」も問題だが,「現状」や「過去の動向」を示す統計を見て,女性の側も思い切った行動がとれなくなる,という問題もあるだろう。

 リチャード・カッツ記者が雑誌に引用したデータは,

課長以上の女性管理職は約6割が独身で,既婚者でも3人に2人は子どもがいない
 (旧労働省の1990年調査)


 現在は,

従業員数1000人以上の大企業では,女性管理職の3割が今も独身だ。一方,結婚歴のない男性管理職はわずか3%にすぎない

従業員数30人以上の企業では女性が一度も管理職になったことがないという会社が半数に上る

 2020年までに女性管理職を30%(欧米並み)にするという目標を掲げたのは,小泉内閣だった。

 安倍政権は30%だった政府目標を民間で15%,官庁で7%へと大幅に引き下げた。

 「女性の管理職希望者は,そもそも何%いるのか」というデータはあるだろうか。

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かぶった書評~週刊ダイヤモンド





 同じ雑誌の同じ号の書評で,本がかぶるというのはちょっと珍しいことかもしれない。

 ただ,評者の関心の向きや気づきには,違いがあるのは当然のことであり,「読み比べ」をする楽しさがある。
 
 昼間匠氏は,日本の地方都市とラストベルトが相似形であることに気づき,日本の将来を危惧している。

 佐藤優氏は,トランプ大統領が行っている「アメリカの破壊」を正面から問題視している。

多くの人(アメリカ人)は,私とあなたには違いもあるけど,共有している部分のほうが多いはずだから共存しましょう」という姿勢で暮らしている。多民族社会の知恵だろう。

>ところがトランプは,その断層を執念深く広げようとしてきた。できた隙間に指先をひっかけ,別の断層も見つけ出しては,そこを足で蹴り続け,少し崩れたところに足場を作り,よじ登ろうとしてきたのだと思う

 
 支持を集めることが目的で,実は支持者の本当の利益を重視しているわけではない,という民主主義社会の「詐欺的代表者」を防ぐには,やはり選ぶ側の国民が賢くなるしかないのだろう。

 しかし,目先の利益にとらわれない,という生き方ほど,難しいものはない。

 その弱点を「詐欺的代表者」は突いてくるわけである。

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