外山先生の「職業教師としての敗北宣言」が読めるめずらしい一冊ですが,それはさておき,
比較的短い文章が集められているこの本では,「入試問題用」の素材候補がいくつかあります。
私は社会科の教師ですから,国語の先生がつくりたいと考える問題の素材とはちょっと違うものに目がいってしまいますが,親子でこの文章を読みながら,「問題づくりの方法」を考えたり,「入試問題向きの文章」を探したり,ちょっと難しい言葉の意味を考えたりすることが,単なる入試対策ではなくて,「読書とは何か」を考える,学校用語で言う「生き方指導」を実践することができるかもしれません。
「日本語は論理的ではない?」
の一節では,日本語の島国的性格と,他国と隣り合っている国の言語の違いが説明されています。
これを100字程度でまとめなさい,なんて問題が考えられますが,
「点的な言語」と「線状の言語」の違いを説明せよ,なんて課題も考えられます。
国語の問題というのは,作者の考え以外のものを書くと×になるのですが,
今後は,「文章には書かれていない,自分の考えを述べなさい」なんていう問題を出題してくる学校が増えるかもしれません。
それには,やはり,一定の読書量が必要です。
「ことばの非連続の連続」というタイトルで,短いエッセイを書きなさい,なんて問題も・・・?