受験のための塾やそこの講師の話がちょくちょく登場するものの,
そんな「勉強」をさせていては,すぐにつぶれるだろうと思われるような話ばかりしている人がいる。
もう少し質の高い「勉強」をしている受験生たちにも目を向けてほしい。
時間さえかければできるようなレベルのことを,わざわざお金を払って教わる必要はない。
東大入試問題などを題材に,1冊の本にしあげられているものがいくつかあり,それなりに人気があるようだ。
一般書として売られているということは,受験生が対象ではない。
しかし,受験生が読んでもためになることは言うまでもない。
ここで紹介した本には,新書には珍しく,図版がたくさん掲載されている。
そのうち大学入試でも「図解で説明しなさい」などという問題が出される時代が来るだろうが,
こういう本を読んでおけば,そもそも「いい先生の授業とはこういうものなのだな」というイメージができるはずである。
「いい問題」とは,相当に知識が多く理解が深い人でないと採点ができないような問題である,
という言葉の意味はおわかりいただけるだろうか。
単なる「正解」はない。様々な「いい答え」があるような問題は入試に向かないかもしれないが,
それでも受験生の本当の力をはかろうという意欲の高い大学はやっている。
「受験」の話をするときは,そういうレベルのことも語ってほしい。