アクティブラーニングという外来語をタイトルにつける本が次々に出版されている。
「言語活動」という言葉よりも,「ありがたみ」を感じる外国語だから,売れ行きもよくなるだろう。
特に「新しいこと」が書いてあるわけではないことが,この本の魅力である。
また,「教育内容」がほとんど書かれていないのに,「使えそう」な気がするのも魅力であろう。
アクティブラーニングという言葉の「はやり」はあと数年続くかもしれないが,
あとがきに示されている「大盛況」という言葉には拍子抜けさせられてしまった。
フォーラムに150人程度集まれば,「大盛況」となるのが教育の世界の「おしとやか」なところである。
本づくりとしての難点は,「出典が示されていない」ことであるが,
教育の世界では,孫引きの孫引きの孫引きくらいいくらでもあるので,仕方がないかもしれない。
日本の教育現場にもしアクティブラーニングを本気で定着させようとしたら,
まずは特別活動の時間を重視すべきである。
「コルブの経験学習モデル」は,まさに特別活動の学習にぴったり適合する。
部活動でもよい。
中1女子が亡くなってしまうような事故が防げるようになるだろう。
「安心安全な場づくり」の重要性は,教室における教科学習だけに限った話ではない。
パニックゾーンで死なないために,いつでも
コンフォートゾーンに戻れる安心感をもって,
自らストレッチゾーンに踏み込める場をつくるべきである。
続編を楽しみにしたい。
できれば,この本の薄さなら1000円以下にしてほしい。
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