宮城谷昌光という作家をご存じない方は,黒田官兵衛とか直江兼続が登場する本かと誤解されてしまうかもしれませんが,「戦国」とは中国の春秋戦国時代の「戦国」です。
著者は戦国時代の初年を,周の元王元年(紀元前475年)としています。
これは,春秋時代の末年を周の敬王44年(紀元前476年)としたことによります。
では,戦国時代の終わりとは・・・秦王政(始皇帝)が天下統一を達成した紀元前221年です。
最後に滅ぼされたのは,斉という国でした。
私が初めてふれた宮城谷昌光の著作は,『楽毅』でした。
その後,すべての作品を読ませてもらっているのですが,まさか教師として教育現場の問題の解決を,歴史小説から得られるとは思っていませんでした。
どの本にも,権力者たちが陥る問題に向けて,ウィットに富んだ批評がそえられています。
権力者が主人公になるものもありますが,臣下たちの才覚によって危機を切り抜けるストーリーもある。
司馬遼太郎などもたくさん読んでいましたが,多くはただの娯楽で終わっていました。
教師として成長させてもらった感謝をブログにしたためることになったのが,『教育失敗学』の始まりだったのです。
現代は,「教育戦国時代」です。
塾産業はまさに生きるか死ぬかの戦いになっていますが,
学校現場としても,うまくはいきそうにない国の政策に,四苦八苦しています。
戦国時代なら,どこかの国が滅んでも,別の国で再起をはかれますが,
今の日本がつぶれると,どうすればいいのか路頭に迷います。
「亡国の~」という本はフィクションだけの話ではなくなってきている。
そういう時代に,宮城谷小説は生きるヒント,考えるヒントを与えてくれたのです。
ところで,中学校で歴史の授業をしていたときに,
『キングダム』というマンガが話題になりました。
「中学生向け」とは言えない描写もあり,また史実を参考にした
フィクションとしての作品でもあるため,コメントは少なめに話をそらしてしましました。
私も『キングダム』は全巻もっています。
ネタばれの危険もあることも承知で,
『戦国名臣列伝』の「秦の呂不韋」で,歴史で伝えられている内容がおさらいできることをご紹介しておきます。
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