『岳飛伝』というDVDをみていたら,
12世紀頃の作とされる清明上河図を金の皇族が手に取る場面がありました。
何だかカラーコピー用紙のようなきらめき感があったので気を削がれましたが,
日本で言えば江戸時代の日本橋や江戸の町の様子が描かれていた絵でした。
宋と日本とのかかわりで最も知られているのは平清盛の日宋貿易でしょうが,
その発展を支えたもののなかに,貴族たちの「唐物」への熱望があったことが
知られています。
「唐物」への憧れは,「国風文化」の時代にも基盤となっており,その背景には
アジアの海域世界に大きく展開した海上交易がありました。
「唐物」は当時の貴族にとって重要な「威信財」であり,藤原道長はこれを
政治的に利用していたようです。『源氏物語』にも,『御堂関白記』にも,
こうした「唐物」が登場しています。
>そもそも「国風文化」という用語・観念自体が,明治以降の国民国家を支える「一国史」的な歴史観や,「一国文学」的な言語・文学観にもとづいて新たに創出されたものであるという点も,忘れてはならないだろう。
現在の歴史の常識は,
>「国風文化」はけっして「鎖国」的に閉じられた日本のなかで自生的に発生し,発展したものではなかった。
ということです。
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