ドイツで『わが闘争』が70年ぶりに出版されたことに気づかなかった。
日経ビジネスに掲載された石黒千賀子さんのコラムで知った。
受け売りの知識で,ドイツ語での出版が禁止されていると生徒にも教えていたのだが,
2015年末でドイツの著作権法での著作権保護期間(死後70年)が切れていた。
ドイツのアマゾンでは数時間で1万6000部が完売したそうだ。
今でも「反扇動法」により,無批判のまま『わが闘争』を出版することはできないため,
現代史研究所による注釈(3500以上あるという)付き学術版として出されたとのこと。
上下2巻で合計約2000ページに及ぶ本だという。
ドイツは,難民受け入れ問題などで揺れている。
もし,注釈抜きで『わが闘争』を読む人が増えたら,どういうことになるだろう。
本は,読む人が読みたいように読むものである。
今まで「禁書」とされていたものが出版されるということで,独特の興奮もあるだろう。
さて,ユダヤ人の立場になって,この出版に対する賛否を述べてみよう,
という課題を突きつけてみたら,どうだろう。
実際のところ,賛否両論あるそうだ。
70年の時を隔てて,ドイツはまた変わろうとしているのだろうか。
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