高校向け月刊雑誌の対談をまとめた本ですね。
寺脇研さんの経歴はだいたい知っていましたが,「現職」が何かは帯や巻末には書かれておらず,本文を読まないとわからないのは編集者のミス?でしょうか。
読んでみてとても残念だったのは,やはり文部科学省事務次官とか元副大臣,大学教授といった「立場」がある人というのは,本当に「本気」で言いたいことは言えていないのだなということ。
一方の寺脇さんは,けっこう言いたいことが言えている。
失うものがない立場にならないと,勇気のある「本気」の教育改革論は述べられないのでしょう。
日本では,パートナーシップ型の組織運営が大切だ,と言われており,学校運営でもそういう働きが重視されているようですが,現実問題としてはどうでしょうか。
問題に直面すると,どこかでパワー型のリーダーの存在を求めようとする。
そんな「敵前逃亡型」の人が社会には多い。
哀しい現実は,教育現場の中にもいるということ。
中学校の校長を3年間経験した浅田和伸さんは,「教員=多忙」というイメージについて,こう語っている。
>(寺脇) それから,「教員は忙しい」というのは本当なんですか?
>(浅田) 人によります。どんな仕事でもそうでしょう。真面目にやればやるほど,いくら時間があっても足りない。
>(浅田) 全体として世の中の他の職業と比べて特別忙しいかと問われれば,そうは言えないだろうと思います。
その通り。「忙しい」と自分から言っている人は,仕事が嫌いか,暇な人かどちらかです。
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