1930年代は,軍部の台頭,ブロック経済,国際社会からの孤立,という「わかりやすい図式」でその歴史をあっさりとわかったつもりになってしまっている時代である。
これからの子どもには,もう一歩踏み込んだ1930年代像を形づくらせることが大切である。
中学校,高校の学習で,最も深く学ぶべきは,この1930年代の歴史である。
なぜなら,とてもよく似た変化が今の世界で起こっているから。
「日本が保護主義に反対し,経済的な自由主義の下で輸出を拡大し,世界市場の開拓を進めて,諸外国と摩擦を生んでいた時代はいつですか」という質問に答えられる歴史像を描かせる必要がある。
国際連盟からの脱退を,単純に「世界を敵に回した」と理解させるのではなく,かえって世界の国々に対する理解が深まっていった経緯を学ばせることで,「トランプ大統領の政策によって,世界の国々の動きがとても見やすくなった」と言える子どもを育てることができるかもしれない。
1930年代は,どの国も似たような「全体主義」的な国内体制を模索していた。
日本は協調と平和を意図しながら,結果は対立と戦争へと導かれた。
それはなぜなのか。
次の,世界の壊滅的な危機の時代に備えて,せめて,
「こうした国の動きが対立と戦争を生んだ」ということを語れる子どもをつくっていきたい。
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