寄ってたかって「できる子ども」が「できない子ども」に「答えがわかっている問い」の「答え」への近道を教えようとする場面を増やそうとしている連中がいる。
  
 そういう場面を増やすことで,「全国学力調査の結果がよくなりますよ」と宣伝している輩がいる。

 この「宣伝」は手段に過ぎないことはわかっているが,「どうしても達成しなければならない目標」と捉えている人間たちが,こわごわと近づいて行っている様子が目に浮かぶ。

 答えがわかっているありきたりの問いに対して,ありきたりの答えを短い時間で答えさせるようにする教育によって,創造性を育てることができると信じられる人は少ないだろう。

 教科教育の研究者であれば,創造性を育てるための基礎となる必要最低限の知識や技能とは何かを示してほしい。学習指導要領に示された内容は多すぎて,「考える」時間が確保できないことは,もしかしたら今後,小学校でも問題になってくるかもしれない。

 子どもには,少しでも多く,答えがでないで苦しいと思える時間を過ごさせたい。

 教師という職業は,苦しい時間を自力で乗り越えさせるか,最低限の助力で乗り越えさせるプロでありたいものである。「教えたがり」の子どもに任せてしまう弊害がどれだけわかっているのだろうか。

 「個」を見ているくせに,なぜか「個」ではなく「全部」にしか関心がない人たちが一定数いるのは,だれのせいだろうか?

>苦しいように感じる時は,確実に脳が鍛えられている。脳がつらい経験をしているのを我慢し,それを乗り越えて気がついたら自分が新しいスキルを身に付けていたという「成功体験」を積み重ねれば,積極的に苦しみに耐える意欲が形成されるようになる。この意欲が,否定的な感情を含めた感情のエコロジーを耕す上で役に立つ。

 何かがひらめいた瞬間を子どもの表情を見ることが,教師としての喜びの一つである。

 創造性は,こういう機会を繰り返すことで育まれると信じたい。

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