私は社会科の教師なのですが,社会科教育以外の本を多く読むことを心がけています。自分の視野を広く持ち続けるためです。教師になったばかりのころは,理想の教育とは何かを求めて,教育に関する本を多く読んでいました。今は,そういう本を読む必然性をあまり感じないのですが,やはりバランスを保つことを意識するために,上記のような本にも目を通すようにしています。
 
 主幹教諭とか指導主事といった立場を経験してしまうと,どうしても気になるのは「教師のダメな指導」による子どもへの悪影響です。紹介した本に紹介されている「ダメな指導」の具体例を実際の現場で目にすることも多く,「こういう本を先生方や管理職の方々に読んでもらいたい」というため息交じりの絶望感に襲われてしまいます。

 「若手をベテランが支える」ことの意義が語られていますが,学校によっては「若手がベテランの尻ぬぐいをさせられている」ところもあります。学校現場というところは,一人や二人の実体験で語ることができるような単純な場ではないので,汎用性のあるアドバイスというのがなかなかない。ただそういう「こうすれば上手くいく」という単純ではない世界に生きていることこそが,「追究型の学び」ができる強みになっていくことに気づいてもらいたいものです。

 「時間がない」「余裕がない」という愚痴が想像どおり出てきていますが,そういう「言い訳」が言い続けられる教育界には,未来はないでしょう。

 苫野さんが示している「アクティブ・ラーニングがうまくいきそうにない理由(大きな二つの問題)」は,行政側も認識しているとは思います。

>先生の主体性。先生がアクティブに主体的に学ぶ機会があまり保障されていない

 自分がどうやってアクティブに学べばいいかわからないのに,子どもにそういう学びをさせることはできない。

>アクティブ・ラーニングの「型」ばかり求めてしまっている

 見た目は話し合っているように見えても,思考回路がアクティブではなく,「型」に押し込められたものなので,「やらされている」だけ。効率良く内容を消化しようとする動機が見え見えで,大切な「発見」や「疑問」が「なかったことにされる」,にせアクティブ・ラーニングは「害」の方が大きいのです。

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