「35万円で10億円の経済効果を生んだメソッド」と聞くと,営利企業が興味を示すようなイメージがあるが,テーマは町おこしである。
教育改革のヒントもたくさん盛り込まれている。地域によっては,新しい学校づくりと町づくりをセットで実現してしまうようなアイデアも浮かんでくるかもしれない。
この本で最も参考になることを全部紹介したいが,中核的なノウハウなので,遠慮して少しだけ引用していく。
>「できる範囲でやろう」
>「みんなでやろう」
>「既存の組織を使おう」
・・・これらは何を意味するのか。
「非常識な教科書」というタイトルがついている理由は,ありがちな「失敗要因」を明示してくれていることにある。
上記の心構えは,すべて「失敗要因」となりうるものだ,というのが実践家である著者の主張である。
小さな成功体験や感動という「武器」をもともと持っているのは学校である。
大きなゴールを描いて「無理だな」とやる気を殺ぐ前に,できることがあるのは,学校も町づくり,町おこしも同じである。
学校改革で,
>賛同して動いてくれる人間だけを集めて会をつくっていく方法こそが事業をすばやく立ち上げることができる秘訣
なんてことを言ったら,「公務員がそんな態度でいいのか」と怒られてしまいそうだが,成功している組織がもっている特性から学ぶという姿勢も大切にするべきだろう。
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