たまたま図書館の新刊コーナーにあって,タイトルの意味を調べるためにざっとめくったところ,出版社から見てもわかるように工場の経営者のための本かな,と感じたのですが,冒頭からためになる話がたくさんあって,教員の人たちにも紹介したいと思い,取り上げました。
最初は,「PDCA」だけでは進まない,という副題が入ったページを読むために借りました。
「TIPDCA」の「T」=ターゲット(目標)と「I」=イメージ(本来あるべき姿)が大事,というのは,どこかで聞いたことがあるものでした。
メインの「5S」ですが,単純に「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の頭文字だということを聞いただけでは,「学級経営にも通じるものがある」と感じる程度です。
しかしその内容が・・・。
教育分野では,カリキュラム編成の考え方にそのまま使えます。
「使える」「使えない」「使わない」ことを,「人」「モノ」「金」で洗い直す作業も「整理」=「ことわり(理)を整えること」になります。
誰でもすぐに「わかる」「使える」「戻せる」・・・教育で「戻す」場所とは何か。「置き場がわかる場所」が「教科」であり,道徳に関しても「置き場」づくりを先にしておくことが重要になるという考え方もできます。
>清潔は5W1Hでなぜ?をくり返し,問題の真因を追求し,「整理」「整頓」「清掃」の改革・改善を行い3Sを維持する仕組みをつくることなのです。
他の場所でできないか,時間の長さや順序を変えて効果が上がりやすくできないか,人の組み合わせや分担を変えられないか,などを考えることはカリキュラムマネジメントそのものに通じます。
>躾とは「叱る」こと
なんていう主張が,教員にも身にしみてきます。今,同僚を叱れる教員なんてほとんどいないでしょうし,「パワハラ」扱いを恐れ,管理職なども教員を叱れない時代になっています。もちろん,叱ったところで教員の犯罪行為を減らすことはできないかもしれませんが,「仕付け糸」で仮縫いをしてから本縫いに入る,という「仕付け」の意義を教師教育の分野でも考えておく必要はあるでしょう。
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