教育委員会に勤務していたころ,事務方の皆さんは本当に夜遅くまで仕事をなさっていました。
 指導主事というのは教員の身分ですので,残業代は出ません。

 調整分は4%と決まっているのに,100%以上の「残業」をすることもたくさんありました。

 教育委員会も学校と同じように,「不払い残業」の上に成り立っています。

 事務方の皆さんは,基本給が低い代わりに,莫大な?残業代を手にすることができると聞いて,「ああ,なら,残業は喜んでやるだろうな」とうがった見方をしてしまいました。国家公務員の親戚から,そういう事情を直接聞いたこともあります。

 教員の長時間労働の実態は,大昔からわかっていました。

 残業代を出せば,いくらかかるかわからない。それはその通りでしょう。

 金は出せないから,とにかく働く時間を減らせ,効率良く仕事をしろ,という圧力が加わってくるでしょう。

 教育の仕事には「研究・研修」が欠かせませんが,「本を読んでいる時間も労働か?」などという話になってくる。「子どもと向き合う」というのは,ただ一緒に長い時間いる,ではどうしようもないから,授業の研究をしっかりしなければならない。時間はいくらあっても足りない。しかし,そういう時間に出す金はない。 

 「働き方改革」よりも,「正当な報酬の改革を」という要求は,公務員でなければいくらでもできるのですがね。
 
 医療の保険のように,点数制を導入してみるのはどうでしょうか。点数を子どもたちから集め,それが「費用」と「収入」に反映される仕組みです。

 新入学にはいろいろと手続きが必要で,事務作業が多いです。初診料,150点。
 
 授業は投薬。1時間ごとに50点。テストは検査。200点。生活指導は注射。100点。などなど。
 
 「働き方改革」を特集した雑誌の記事を読めば,今まで無関心で自分が何の策も講じていない人たちが,空疎な原稿をたくさん書いています。

 「役割分担の見直し」で勤務時間が削減できる,という「甘い見通し」で,改革が成功することはないでしょう。

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