教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

感動

自らの業績は語らない~「罪」と「恥」を知る人間

ウォーキング・ウィズ・エネミー ナチスになりすました男 [DVD]
ジョナス・アームストロング
アメイジングD.C.
2018-03-02


 同胞に裏切られ,次々に奪われていく命。

 モデルとなった人物は,なぜ自分がしたことを「誇示」しなかったのか。

 救えなかった命への責任や後悔の念がいかに重いか,想像もできない。

 「現場」から尻尾をまいて逃げていった人間たちにも見てほしい映画である。

 内輪受けの表彰をもらったくらいでいい気になっているどこかの人物とは大違いである。

 自分で自分を持ち上げなければならない人間ほどさみしい存在はない。

 それにしても,戦争が人間につきつけてくるものの重さは本当に計り知れない。

 まだ日本には「恥」も「罪」も知らない人間が多すぎるようだ。

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「は,はは,ははは」を大切に~天に星 地に花

天に星 地に花
帚木 蓬生
集英社
2014-08-05


 最近,感動できる本がないなあ,と嘆いている人には,こちらの本をご紹介したい。
 
 舞台は江戸時代中頃の久留米藩領井上村。農村を襲う飢饉や疫病,領主による搾取から百姓を守るために身を尽くす家老,大庄屋,庄屋,神主,医師。彼らを支える女性たち。

 「思いやり」「慈愛」に満ちた人と人とのふれあいに浸かりたい人にとって,最適な本である。

 医師や教師,政治家を志す人たちには,絶対に読んでほしい1冊でもある。

 というより,この本を読んで,「こういう医者になりたい」と思う人が増えてくれることを望みたい。

 『ネガティブ・ケイパビリティ』を読んでから,この歴史小説に入る,という手もある。

 私自身は当初,筑後川流域という「舞台」に注目してこの本を手にとった。

 九州北部を襲った豪雨災害を調べていたときに,「脊振山地」という名前を初めて知り,恥ずかしい思いをしたことがあった。この小説の中にも登場している。

 私は教師をしているので,子どもたちに慕われた主人公(文庫本では下巻で独立した開業医になる)が,月に1回,子どもたちに勉強を教える場面が印象的に残っている。

 数の数え方,円周率の求め方,空気圧の概念などを楽しそうに学んでいる子どもたちの姿が目に浮かぶようだった。

 読んでいて,辛い場面も少なくない。自然災害に襲われる場面を読んでいると,稲作が九州に伝わったものの,そこで大きな政権が定着することなく,どんどん東の方へと「政権誕生可能地域」が探られていった結果,山地がある行き止まりの場所=ヤマトに行き着いたのだ,と想像してしまう。

 「こういう医師に診察してほしい」と羨んでしまう気持ちが出てくることがデメリットだろうか。

 主人公が歯磨きをしない百姓に注意する場面がある。歯は最も大事なもの。次は母。そして「ははは」と笑うこと。患者とのコミュニケーションが上手な医師が増えてほしいという気もする。
 
 
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本の魅力~語彙力こそが教養である

語彙力こそが教養である (角川新書)
齋藤 孝
KADOKAWA/角川書店
2015-12-10


 昔から,齊藤先生の本にはたくさんの刺激をもらったが,ここしばらくは読んだ内容にすべて「既視感」があり,感動をもらえなくなってしまった。本好きにとっては,寂しい限りである。

 引用されている内容に新鮮みがないということは,逆に考えれば,奇をてらわず,本当に知っておくべき教養にしぼって書かれているということだろう。

 読み方を変えれば,まだまだ発見ができるよい本かもしれない。

 「教養」を単なる知識としてとらえている自分がいないか,点検が必要である。

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極意は人には教えられない~能はこんなに面白い!(小学館)

能はこんなに面白い!
内田 樹
小学館
2013-09-13


 「速い球を投げるこつ」「ヒットを打つコツ」などをプロ野球選手が

 解説しているものを見ると,中には,素人が勘違いしてよくない結果を招く

 おそれがあるものがあります。 

 その選手が体得した独特の「感覚」は,言葉ではなかなか人には伝えにくい
 
 ものです。

 かつての長嶋監督が,パーッと,だぁーっとなどと表現していたのは,

 「言葉で伝えるものではない」ことを示してくれていたのだなと思うのです。

 大学時代の公式戦で打ったホームランのうちの1本は,

 どういうコースのどういう球種をどのように打ったのか,記憶がありません。

 昔だから忘れてしまった,というのではなくて,打った瞬間から,気づいたら

 ボールが飛んでいた,という感覚でした。

 内田樹の次のような言葉に共感できるのです。

>武道修行の経験から私が学んだことの一つは,人間の身体が最適のタイミングで,最適動線をたどって,最適の速度,最適の強度で動くとき,私たち自身は自分が何をしているのかよくわかっていないということである。もっとも適切な身体運用は,脳が四肢になすべき運動を指令した結果達成されるものではなく,「それ以外にありえない」と思われる動きを身体そのものが自発的に遂行することで達成される。

 先日,身近で初めて能の動きを見せてもらったのですが,
 
 最初に感じたのは,「襲いかかったらやられてしまう」「かわされてしまう」という

 「恐怖心」でした。

 武道と通じる動きが能にはあり,それが中世人の身体運用の基本だったのではないか,

 などと想像してしまうような経験でした。

 ひたすら素振りをしていたころ,「いい打ち方を教えてくれる人はいないか」などと思ったりもしましたが,

 「自分ができるとは思っていなかった動きができた」ことの喜びを,

 かなりの年数を経て,味わうことができました。

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失敗にめげている子どものために~奇跡のリンゴ(東宝)

奇跡のリンゴ DVD(2枚組)
阿部サダヲ
東宝
2013-12-20


 以前に木村秋則さんの「リンゴが教えてくれたこと」(日経プレミアシリーズ)をご紹介しましたが,

 映画化された作品を視聴しました。

 とてもすばらしい映画です。

 リンゴづくりにかける木村さんの情熱だけではありません。

 木村さんの挑戦を応援する人,見放す人,見捨てない人,

 家族の苦しみと喜び,親子の愛情,

 様々なものが詰まった映像作品になっています。

 木村さんの自然観や人間観に刺激を受ける子どもたちが一人でも増えるように,

 親御さんたちにはぜひどこかでこの映像作品に触れさせてあげてほしいと思います。

 特に,何かの失敗でうちひしがれている子どもがいましたら,ぜひ

 この作品を親子でご一緒に鑑賞してください。

 次の一歩に進むためのエネルギーを与えてくれるものと信じています。

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