教育失敗学から教育創造学へ   (読書編) ~子どもの教育に情熱をかける人々のために~ 

小学生と大学生の親です。 このブログでは,読書から得られた発見や視点を中心に,子どもの教育について考えていることを書き綴っていきたいと思います。

リーダーシップ

群衆は「型」にはめると機能しなくなる



 SNSは,今までになかった「正義」の示し方で,世の中を大きく変えようとしている。

 ときには「数の力」を使えるレベルに達するし,多くはないが仲間の「ゆるい連帯」を築くのに役立っている。

 「古い権力者」がなぜおずおずと退場し,その後の発展という「遺産」を残せないのか。

 「古いパワー」の持ち主は,組織として動いている巨大な権力の中にいると,必ず見失うものがある。

 それは「自由の力」である。

 支持者や協力者を何かの枠で固定したり,組織に組み込んでしまったりすると,とたんに「自由の力」は失われてしまう。

 クラウド・リーダーからチア・リーダーへの「転落」が,オバマ大統領の残念なところだった,という話は,日本人でもなるほどと思う。

 崩壊寸前のヴァチカンを変えようとしているローマ教皇フランシスコ(アルゼンチン出身)は,

 「新しいパワー」そのものだった。

 強烈なシグナルを発し,人々の自主性を促すような仕組みを考え,広く長く受け継がれるべきもの=規範を示す。

 新しいリーダー像は,実は学校できちんと育成できる。

 「自由の力」を発揮できる場面を意図的に多く作り出すことである。

 そして手に入れた自分のパワーを使って,他の生徒たちにそのパワーを差し出していく。

 そういう新しいリーダシップを育成することに,希望を感じていたい。

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ゴーン?仮定法過去完了?攘夷運動?



 どこがどうなっていたら,逮捕は避けられたのか? 

 まだ世界で起こっている大きな自国民(の政権支持者)優先主義の流れを傍観しているのが日本だが,いずれ,相変わらずの「攘夷運動」が沸き起こってしまう危険性を感じている。



 公営事業が民営化,それも外資に売られる時代がやって来る段階で,日本人の目が覚めてしまい,「手遅れ」なのにまた時代を逆戻りさせる動きが加速する恐れがあると思われる。

 今回のゴーン氏の逮捕の背景には,「日本企業が植民地支配を受けていることへの抵抗」という見方があるらしい。グローバル化・自由化は,強者が弱者を食いものにする仕組みであり,弱者にとって有利な考え方である「公正さ」が重要視されるようになると,今のアメリカのような姿になる。

 ゴーン氏は容疑を否認しているそうで,「司法」へと注目が集まる土壌ができた。「司法」は「自由」ではなく,「公正さ」を看板に掲げているはずだが,「独立性」には疑問があるだけに,成り行きには興味もある。

 「司法取引」のメリットやデメリットについても,国民の関心が高まるだろう。

 「司法取引」は,だれにとって都合のよい仕組みなのか。「取引」がうまくいけば,刑が軽くなるという犯罪者にとってのメリットは,犯罪の増加につながらないか。

 いくらでも「狙い撃ち」が可能になるのではないか。どっちにしても,恐ろしい時代になった。

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統計的差別と統計への恐怖~女性管理職は増えるか



 統計に基づく合理的な判断が,女性に不利な結果になる「差別」も問題だが,「現状」や「過去の動向」を示す統計を見て,女性の側も思い切った行動がとれなくなる,という問題もあるだろう。

 リチャード・カッツ記者が雑誌に引用したデータは,

課長以上の女性管理職は約6割が独身で,既婚者でも3人に2人は子どもがいない
 (旧労働省の1990年調査)


 現在は,

従業員数1000人以上の大企業では,女性管理職の3割が今も独身だ。一方,結婚歴のない男性管理職はわずか3%にすぎない

従業員数30人以上の企業では女性が一度も管理職になったことがないという会社が半数に上る

 2020年までに女性管理職を30%(欧米並み)にするという目標を掲げたのは,小泉内閣だった。

 安倍政権は30%だった政府目標を民間で15%,官庁で7%へと大幅に引き下げた。

 「女性の管理職希望者は,そもそも何%いるのか」というデータはあるだろうか。

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パターン通りにはいかない~対話のことば



 パターン通りの対話で解決するような問題なら,苦労はない。
 
 成功者たちの行動特性を示す「コンピテンシー」のモデルが定着しないのも,「パターン通り」ではうまくいかない決定的な要因があることがわかる。
 
 個人の問題かもしれないし,関係性の問題かもしれない。
 
 「経験則」「実践知」「センス」「コツ」の共有化ほど,難しいものはない。

 パターン・ランゲージは能力のない人に希望を与えるが,むしろ自分の能力不足に苦しむ結果を生むだろう。

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問いを磨く習慣をつける



 「空・雨・傘」という3語で行動規範を共有できる組織は強いですね。

 事実を捉え,的確にその意味を解釈し,行動を決めるといった単純で当たり前の流れです。

 ただ,今は「事実」を捉えること自体が難しく,見た目でどうなっているかを解釈するのは簡単ですが,その原因になるものは多様すぎて,想像するしかない場面も多い。だから,とりあえず行動する,という態度を基本原則にする企業まで登場しています。

 とにかく「問い」を磨くこと。

 「いい質問を生むための基本的な姿勢」が指南されていますが,参考にしたいものです。

>相手の反応に注意を向ける
>無邪気な好奇心をもって聞く(自分の考えや思いはいったん脇に置く)
>相手の発言や思いに対してジャッジメントをしない
>素朴な疑問を大切にして質問をする
>「それはなぜ?」と思考と洞察を深めていく


 実際には,逆の状態になりやすいものですが,それをしっかり自戒しながら行動できる人は成長しやすいと思います。

 行政にいると,上記のような態度で接してくれる人はほとんどいません。

 教師の立場でも同様です。

 でも,教師は上のような態度を大事にしたい。・・・こういうことを本当に口にすると,「自分の思い通りにしたいだけだろう」というジャッジが下されるので,「現場」はやりにくいところなのです。

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